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【014】続きは二人で

今週はいよいよバレンタイン!
バレンタインネタの最後は緑青。
しょーもない、いつものネタですけどね。

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**********



「明日はバレンタインデーかぁ。俺も彼女がくれっかな、チョコレート」

「秀は彼女とデートの約束をしているのか?」

「おう。TDL行きたいんだってよ。バレンタインデーなんて混んでるよなー、絶対。征士は行ったことないだろ、ディズニーシーとか」

「あるぞ。つい先月行った。土産を渡さなかったか?」

「もらってねぇけど…へー、意外だなぁ」

「一度も行ったことがないというのはシャクなのでな。とりあえずどちらでも良かったのだが、酒が飲めるシーの方に行ってみたのだ」

「当麻と?」

「ああ。男が二人でディズニーはどうなのかとも思ったのだが、行ってみたら案の定すごい人出だし、それがみなそれぞれ夢の世界に入っているし、別に男二人だろうが宇宙人三人だろうが気にならなかったな。思いのほか楽しめたぞ」

「酒が飲めるとこってのが基準なのはお前らしいよな。いっつもこうやって家でも二人で飲んでんのか?」

「いや、二人だけで家で飲むことは少ない。外で飲んだ流れで家に帰ってからもということはあるが。今日のようにな」

「そうか。ふーふ水入らずのとこ、ついてきて上がり込んで悪かったな」

「秀が一人で我が家へ来るのは確かに珍しいな。遼などよく泊まっていくし、伸も何か食べきれないものがあると一人でふらっと持って来たりするがな」

「いや、なんかさ、ちょっと恥ずかしいじゃねぇか。なんだかいつまでも新婚さんちに来てるみたいだしよー、ここんちは」

「ははは。いつでも遠慮なく来てもらっていいのだぞ」

「まあなー。そうそう、そう言えば当麻も明日、征士にチョコやるんだろ? なぁ当麻?」

「んー? やんねぇよ」

「ちょ、お前、黙ってると思えばまだこんなの飲んで、ちょっと飲み過ぎだぞ。…ほら、お前がそんなこと言うから、征士が傷ついた顔してるじゃねーか」

「失礼な。傷ついてなどない。しかし当麻、チョコレートをくれないというのは本気なのか」

「本気だったらどうだってんだよ」

「…どうって………」

「と、当麻お前、酔ってるんだろ?な?」

「俺は酔ってなんかないー」

「酔ってるよ、十分! あーあ、久々に当麻の絡み酒か・・・?」

「当麻…本気で…本気なのか? 今年は当麻からチョコレートはもらえないのか…?」

「ほら見ろ当麻。征士が燃え尽きたジョーみたいになってんぞ。 可哀想だぞ」

「 …ったく、チョコだって甘くてたいして好きじゃないくせに。どうして毎年、俺が征士にやらなきゃなんねぇんだよ!」

「お前と私が恋人どうしなのではないのか?…遼や伸にもらっても仕方がなかろう」

「だーかーらー! そういう意味じゃねぇよ。別に俺からお前じゃなくたって、お前が俺にくれたっていいだろうが」

「そんなことを気にしているのか。私からチョコレートが欲しいのなら、そう言えばいいではないか」

「チョコが欲しいとか、そういうことを言ってんじゃないの。俺は」

「わからんな。毎年当麻が私にくれるではないか」

「だからなんだよ?」

「いや、あの、二人とも、ちょっと…」

「何をそんなに突っかかるのだ。秀の言うとおり、飲み過ぎだ。もう風呂に入って寝た方がいい」

「そうそう。寝た方がいいぞ? お前、こういう時、ロクなことないぞ? ていうか、俺の存在わかってる?」

「腹立つなぁ、澄ました顔しやがって。お前、俺がアノ時おとなしくヤられてるからって、調子に乗るなよ?」

「わーわーわー! と、当麻? お前ちょっと待て…!」

「じゃあ何か。お前はいつも、いやいや私に付き合ってヤっていると言うのか。そうは見えんがな!」

「受けて立つなよぉ…」

「何だとぉ!?」

「いやいやには見えんと言っている! 夕べだって…」

「わっ、わーっ タ、タイム! なぁちょっと、俺いるから。な? 俺がいるんだぞ? 二人とも!」

「夕べがなんだ!?」

「夕べは貴様から私のベッドに入ってきたではないか!」

「寒かったからだ!」

「寒かっただと? 寒いと貴様は自分で脱いで、人の寝巻きも脱がせるのか!?」

「悪いか!?」

「悪く…ない。お前が積極的なのは嬉しい」

「あああもう! その、なんていうの? 上から? 上から目線? それが腹立つんだよ!!」

「上からだと? あんなに私にしがみついて、気持ちいいとかもっととか、言っているくせに、何が上からだ! 下からがいいのか!? そういうことか!?」

「聞きたくねぇなぁ…」

「そうじゃねぇ! 俺は女じゃねぇって言ってんだよ。わっかんないかなぁ」

「女を抱いてるつもりはない」

「ったりまえだ! 俺はなぁ、いつだって、抱かれてるつもりはないからな!?」

「役割を交代したいということか!?」

「そうじゃねぇよ! いいんだよ、それは別に!」

「貴様の言うことはいつもわからん! この凡人の脳でも理解できるように言え!」

「くっそ、いちいち腹が立つ野郎だなぁ!」

「ちょーーーっと、ストップ! ストップ! ストーーーーップ!!!」

「あ、秀…すまん」

「秀…そこにいたのか…」

「あのさー、当麻はよ、いっつもほら、その…な? なんてーの? その…そっち側だから、なんか対等に思われてないんじゃないかって、心配になるんだろ? そのさ、上からってんじゃねぇんだよな? 男から目線っていうか、そういうことだろ?」

「ああ…うん…そう…かな?」

「でさ、征士だって、そうは思ってないと俺は思うぞ? そりゃあ、こいつはハタから見て恥ずかしくなるくらいお前のこと大事にしてるけどよ。それはお前のこと女の代わりにしてるんじゃない。こいつはこういうふうにしかできないんだよ。…わかってんだろ?」

「………うん」

「そうだよな? 征士?」

「………ああ。不安に思わせていたならすまなかった」

「いや、…こちらこそ。大人気なかった」

「はいはいはい。じゃあ、晴れて俺はこれで帰らせてもらう。続きは二人でやってくれ」

「ああ、すまなかったな、秀」

「あ、ほら、征士、土産、土産」

「そうだ………これだ。悪かったな、遅くなって」

「おー、サンキュー。俺も明日行ったらなんか買ってくるよ」

「そうか、明日行くのだったな」

「それじゃなんか、間抜けな土産だったなぁ」

「いいのいいの。お前らのズレてんのは慣れてっからよ。じゃあな!」

「ああ、これに懲りずにまた来てくれ」

「気をつけてー!」



「あーちくしょー、寒いぜ! ったくあいつら舌の根の乾かねぇうちにベタベタしながら見送りやがって。あー、俺も明日、ベタベタしーよおー! …ていうか、もう絶対に一人であそこんちには行かねーようにしよ…」





おわり


**********

【あとがき】

きっと、もう甘々な続きがはじまってるよねー。
うふふ。

秀、お疲れさま!
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