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video (中編)

閲覧厳重注意。
赤橙緑水×青。
R18。





***


「俺だけを裸でいさせる気か?」

リビングで一人、何もかもすっかり脱いでしまった当麻が斜に構えて顎でそうもの申せば、心優しい酔っ払い四人は、友のために自分達も服を脱ぎはじめる。
こんなに一緒に暮らしていて、 当麻の裸を見ることなど、数え切れないほどあったはずなのに、素っ裸で邸のアンティークなソファに腰掛けて仲間に誘いかける当麻は、息を飲むほどに艶かしかった。

「遼」

これから何が起こるのか。
一番興味津々な顔をしている遼の名を当麻は呼び、サイドボードの上にのっていたプラスチックの容器を指さした。

「あれ持って、こっちに来い」

当麻が指したのは、征士が剣道の道具の手入れに使っている、ワセリンだ。
遼は当麻の傍らへ、それを持ってきた。

「開けて。それ、お前の右手の中指に塗って」

当麻は背もたれに深く背を預け、左脚を上げて、右の膝の上に乗せるようにして身体を捻った。
見慣れたはずの当麻の裸の、まだ誰も見たことのない奥が顕になる。

「ここ、指先で触れ」

遼は征士をちらりと見て、借りるぞと伝えると、当麻に言われた通りに、中指全体にワセリンをつけ、左手で包んでぐりぐりと塗りつけた。
左手の掌にべっとりとついたワセリンを、一瞥してから自分の腰にゴシゴシと擦り付けた。
それからソファの当麻に覆い被さるようにして、遼はその指先を秘所へと忍ばせる。

「ここ…………か?」

遼の熱い息が、当麻の耳にかかる。
指が触れた瞬間、当麻の身体がそれをきっかけに熱を帯びはじめた。

「そう。触るとだんだん柔らかくなるから。……優しくな」

「ああ」

遼の全てが当麻の反応に集中し、周りの視線が意識できなくなる。
ワセリンの滑らかさで、指先でくるくるくるとそこを撫でると、それだけで当麻の全身がひくひくと応じる。

自分の指先が、当麻を踊らせる。
遼の本能はすぐにそれを快と感じ取った。

「当麻」

ほんのりと染まる当麻の耳朶に息がかかるよう、その名を囁く。

そして、当麻が何事か指示を出す前に、その指先を中へと進めた。

「うっ」

気持ちの良さそうな声を上げると同時に、当麻の顎が上がる。

「いいぞ……そう、そのまま、少しずつ、入れたり出したり……するんだ。少しずつ、な」

遼の中指は、いとも簡単に当麻の中に二つ目の節まで埋まり、中の感触を指の腹で確かめてから、先端まで引き抜く。
次は指の根元まで。
するすると引き抜き、もう一度、根元まで。

「ぁあ……っ」

入れる時よりも引き抜く時に当麻の反応のいいのがわかると、遼は今度は入れる時よりもゆっくりと、当麻の中から指を抜き出した。
当麻は眉を寄せ、肩を震わせる。

「当麻、可愛い……」

遼の口から、思わずそんな言葉が零れる。
遼の背中越しに見ている三人が、またゴクリと息を飲んだのがわかる。

「可愛い」が癪に触ったのか、当麻は片目で遼を睨んだ。

「指、増やして」

言われた通りに遼は、今度は人差し指と中指を揃えて差し入れる。
少しきついが、問題はなさそうだ。

最奥まで入れ、また引き抜く。
当麻の息が上がってくる。

「当麻。本当に、柔らかくなってきた」

遼はすっかり嬉しくなって指をくねらせながら出したり、奥で指先を動かしたりしてみる。
その度に当麻は身体を震わせて、指の動きに応えた。

「増やし……てっ」

当麻が言い終わらないうちに、遼は薬指を添えて一息に侵入させた。
一瞬、当麻の息が止まる。

「キツいのか? 当麻」

遼が心配顔で、しかし根元まで指を三本根元まできっちりと入れたまま、当麻の顔を覗き込んで言った。
当麻は顔を背ける。

「大丈夫だっ。そのまま、とめなくていい」

「そうか」

遼はまた、当麻の様子を伺いながら、三本の指の節々を当麻にしっかりと感じさせるようにゆっくり抜いたり、また最奥まで入れたりを繰り返した。
ハッハッと当麻の息は次第に浅くなり、額には汗が滲みだす。
初めはもったりと首を持ち上げかけていただけだった当麻の陰茎も、すっかり勃ち上がっていた。

「凄い……。こんなに柔らかくなるんだな」

興奮する遼にコクコクと頷いて、当麻は動き続ける遼の手首を捕まえた。

「もう、大丈夫だ。遼、秀に代われ」

「え? どうして」

遼が不満の声を上げる。

「いいんだ、代われ。秀、早く来いよ」

「俺!?」

今までに見たこともないような、妖しさを漂わせる視線を当麻に投げかけられて、秀は慌てる。
終始を見ていた秀の一物も、もうこれ以上ない程に勃起していた。

未練顔の遼を片手で否しながら当麻は立ち上がり、ソファの背もたれに片手をつくと、秀に背中と尻を向けた。

「お前のにも、たっぷりとワセリンを塗れよ」

「お、おう……」

秀は両手の指にワセリンをとって、血管の浮き出た自分のものに塗りつけた。鼻息が荒い。

「いいか。慌てずに入れろよ」

当麻が片手で自分の尻たぶを割り開く。
現れたそこは遼に拡げられて綻び、当麻の呼吸に合わせて秀を手招きした。

秀が先端をそこに押し当てる。

「ゆっくり」

当麻は念を押したが、加減がわからない秀は、己の括れたところまで一息に押し込んでしまった。

「ふあっ」

当麻は背を仰け反らせ、その口から上擦った声が上がる。

迦雄須との行為には慣れていたはずだった。
声なんて殆ど上げずに、いつも行為を受け入れていた。
それなのに当麻は、さっきの遼の指にすら、平静ではいられなかったのだ。
顔の見えない、存在のあやふやな霊体とは違う、生きた圧迫感。

「ちょっと待てよっ」

はぁはぁと、息を荒らげながら絞り出した声に、秀の動きはなんとか止まる。

「一人で先走るな。おい、伸」

秀と繋がり、ソファに向いて頭を下げたまま、当麻は呼んだ。

「ここに座れ」

おずおずと、伸が当麻に向かい合うようにソファに身体を預けた。
当麻は空いた方の手で伸の手を取ると、張り詰めて涙を流さんばかりの当麻自身のものと、所在なさげに半勃ちになっている伸のものを一緒に握らせた。

「秀、いいぞ」

先端だけを当麻の蜜壷に温められ、擦られていた秀は、合図と共に一気に当麻を突き上げた。

「くぁあああっ」

当麻は堪らずに声を上げる。
秀の突き上げとともに跳ね上がった当麻のものと自分のものとを、伸は慌てて握りこんだ。

「うゎっ」

二人のものが激しく擦り合わされることになり、突然の刺激に伸も呻く。

「待て! 秀! もっと、ゆ………!」

当麻が何とか絞り出そうとする静止の声が届かないのか、秀は生まれて初めての、しかもこの異様なセックスに半ば正気を失ったように、激しく腰を打ち付けた。




つづく

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