たいいくのひ
since November 22th 2012
【010】通り雨
カミングアウト前の当麻の職場にて。
カミングアウトはこちら。
緑さん出ない緑青です。
カミングアウトはこちら。
緑さん出ない緑青です。
**********
「羽柴君、データここに置いておくわ」
「あ、ありがとうございます」
「…あら、雨?」
「え? マジ? 洗濯モン、二人分がっつり干してきたのに…」
「え?」
「…あ」
「…羽柴くーん、それって、同棲してる彼女がいます宣言?」
「いや、その…まぁ」
「いるわよねー、そりゃ。ほっとかれないでしょう、羽柴君、カッコいいものー」
「ははは…」
「もう長いの?」
「んー、まぁ、数年?」
「へー! どんな人?」
「どんな人って…」
「可愛い系? 美人系?」
「んー、…美人ですね。すげぇ美人」
「あらあら、羽柴君を狙ってるコたちがカワイソ。仲がいいのねー」
「まぁね」
「羽柴君が洗濯物、干す係?」
「いや、そういうわけじゃないけど、時間ある方がやるってだけです」
「いい彼氏さんねぇ。うちのダンナなんか、絶対にしないわよー」
「そりゃ、やってくれる人がいれば俺だってやりませんよ。だけどあんまり負担かけて、捨てられちゃうと困るから」
「お料理は?」
「それもできる時にできる方がだけど、俺、朝は起きらんないし、あいつは朝得意だから、朝飯はほとんどあいつですね」
「結婚しないの?」
「うーん、今んとこ考えてないですねー」
「ふうん。子どもでもできたらって感じ?」
「子どもか…できたら恐ろしいな…」
「あら、いいもんよ、子ども。羽柴君、可愛がりそうだけどなぁ」
「ははは…」
「彼女は待ってるんじゃないのー? プロポーズ。女の子は結婚って、自分から言い出さなくてもけっこう意識してるもんよ?」
「…プロポーズねぇ。とりあえず…今日は無理だな。朝ケンカしたから」
「あら、何が原因? 洗濯物もちゃんと干したのに」
「ヨロイビールのCM知ってますか?」
「ヨロイビール? あー、うん、うん」
「あの女優さん、俺好みなんですよ。あれ、今朝テレビで見て、おーって言ったら、なんだかちょっと傷ついた顔しやがって」
「何それ、カ~ワイイ!」
「それで俺、ゴメンって言ったら、謝ることなんかないとか言っちゃって」
「だけど気にしてるワケねー」
「それから何だかよそよそしい態度になっちゃって。失敗したなー」
「そんなのケンカって言わないわよ。要するにラブラブなんじゃないの。いける、いける、プロポーズ。しちゃいなさいよ。結婚する気が全然ないんじゃなかったら」
「ま、でもプロポーズはね…」
「ん?」
「きっと、あいつからしたいんじゃないかな」
「えー? そうなの?」
「うん。たぶん」
「へー」
「そういうヤツなんです」
「まー、ニコニコしちゃって。朝からごちそうさまでした! じゃ、これ、ちゃんと確認してね」
「すみません」
「仲直りに何か買って帰りなさいよ。甘いものとか」
「ははは」
「あ、雨、もう上がったわね」
「あ、本当だ。通り雨だったみたいですね」
おわり
**********
【あとがき】
突然の雨にちょっと動揺して、
お姉様相手についついおしゃべりしちゃった当麻さんでした。
本人のいないところで、その人の話をしているっていうシチュエーションは、けっこう好き(≧∇≦)
「羽柴君、データここに置いておくわ」
「あ、ありがとうございます」
「…あら、雨?」
「え? マジ? 洗濯モン、二人分がっつり干してきたのに…」
「え?」
「…あ」
「…羽柴くーん、それって、同棲してる彼女がいます宣言?」
「いや、その…まぁ」
「いるわよねー、そりゃ。ほっとかれないでしょう、羽柴君、カッコいいものー」
「ははは…」
「もう長いの?」
「んー、まぁ、数年?」
「へー! どんな人?」
「どんな人って…」
「可愛い系? 美人系?」
「んー、…美人ですね。すげぇ美人」
「あらあら、羽柴君を狙ってるコたちがカワイソ。仲がいいのねー」
「まぁね」
「羽柴君が洗濯物、干す係?」
「いや、そういうわけじゃないけど、時間ある方がやるってだけです」
「いい彼氏さんねぇ。うちのダンナなんか、絶対にしないわよー」
「そりゃ、やってくれる人がいれば俺だってやりませんよ。だけどあんまり負担かけて、捨てられちゃうと困るから」
「お料理は?」
「それもできる時にできる方がだけど、俺、朝は起きらんないし、あいつは朝得意だから、朝飯はほとんどあいつですね」
「結婚しないの?」
「うーん、今んとこ考えてないですねー」
「ふうん。子どもでもできたらって感じ?」
「子どもか…できたら恐ろしいな…」
「あら、いいもんよ、子ども。羽柴君、可愛がりそうだけどなぁ」
「ははは…」
「彼女は待ってるんじゃないのー? プロポーズ。女の子は結婚って、自分から言い出さなくてもけっこう意識してるもんよ?」
「…プロポーズねぇ。とりあえず…今日は無理だな。朝ケンカしたから」
「あら、何が原因? 洗濯物もちゃんと干したのに」
「ヨロイビールのCM知ってますか?」
「ヨロイビール? あー、うん、うん」
「あの女優さん、俺好みなんですよ。あれ、今朝テレビで見て、おーって言ったら、なんだかちょっと傷ついた顔しやがって」
「何それ、カ~ワイイ!」
「それで俺、ゴメンって言ったら、謝ることなんかないとか言っちゃって」
「だけど気にしてるワケねー」
「それから何だかよそよそしい態度になっちゃって。失敗したなー」
「そんなのケンカって言わないわよ。要するにラブラブなんじゃないの。いける、いける、プロポーズ。しちゃいなさいよ。結婚する気が全然ないんじゃなかったら」
「ま、でもプロポーズはね…」
「ん?」
「きっと、あいつからしたいんじゃないかな」
「えー? そうなの?」
「うん。たぶん」
「へー」
「そういうヤツなんです」
「まー、ニコニコしちゃって。朝からごちそうさまでした! じゃ、これ、ちゃんと確認してね」
「すみません」
「仲直りに何か買って帰りなさいよ。甘いものとか」
「ははは」
「あ、雨、もう上がったわね」
「あ、本当だ。通り雨だったみたいですね」
おわり
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【あとがき】
突然の雨にちょっと動揺して、
お姉様相手についついおしゃべりしちゃった当麻さんでした。
本人のいないところで、その人の話をしているっていうシチュエーションは、けっこう好き(≧∇≦)
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