たいいくのひ
【009】こっちのキモチ
あけましておめでとうございます。
2013年は征当で始めます。
イチャイチャが足りませんが…。
まぁ、これが原点ってことで、ひとつ(笑)
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はじめのうちは。
お互いのモノに触れ合って、それでなんとなく満足していた。
男同士のカップルがどういうアレをするのかは知識としてなんとなくは知っていたけれど、同棲生活をはじめてからも、現実として具体的に俺と征士がどのように身体を重ねるのかというイメージが、俺にはなかった。
それがある日。
その日は俺のベッドに征士がきて、いつものようにイチャイチャやっている最中に。
征士が俺の入口(いや、本当のところ正確には出口だと思うが)になんとなく触れてきて。
そういうことは多分、その時が初めてではなかっただろうと思うんだが。
なぜかその日のその瞬間、あ、こいつ、俺の中に入りたいんだなってピンときた。
え、お前がソッチで俺がコッチかよ。
勝手に決めやがったな。
話し合いもジャンケンもなしかよ。
そうも思ったんだが。
「.…いやか?」
重みと熱い体温を感じながら、うっすらと上気した真顔で聞かれると、
「…いやじゃない」
俺の口が勝手に答えちまった。
なんだか、俺の中に入りたいって考えている征士がめちゃくちゃ愛おしくなってしまい。
俺もついつい、ヤツを受け入れる努力を必死でしてしまった。
男同士のソレは想像していたより随分と手間暇がかかった。
征士のヤツめ、はじめからその気だったらしく、必要なグッズをちゃんと用意してやがって、…まあ、それはある意味助かったんだけども。
それでもやっぱり「初めてのエッチ」は大変で、何とか終えたときの充実感や達成感はやたらとあったが、快感とは程遠かった。
安っぽいドラマみたいに嬉しくって涙が出るっていうもんでもなかったが。
不思議と、もう二度とするか、とも思わなかった。
俺が初めてだっていう女の子とヤった時のことがふと頭をよぎったりして。
ああ、こんな気持ちだったのかな、と。
最後まで大切にしてやれなくて悪かったな、と。
そんなこと、つい考えちゃったりもして。
でもさ、何と申し上げましょうか。
受け入れるシアワセってヤツ?
不覚にも、がっつり感じてしまって。
それから何となく、いつも俺がコッチで、あいつがアッチということになってしまった。
まぁ、慣れないうちはとくにイレラレル方は大変なわけで。
畜生! 次回は逆もありだからな、なんてリベンジを考えたりもしたこともあったが。
征士に至近距離からあの眼差しで
「いいか?」
って聞かれると、
「いいよ」
って、俺の口が答えちまう。
だいたいさぁ、反則だよな。
あの顔で、あの声で、あんな真剣さで。
しかもあの切羽詰まったキモチの時に聞かれたら。
誰でもyesって答えるよな。
慣れてくると、それはそれでイイもんだし、
俺の名前、何度も何度も呼んでくれるのもたまらない。
征士はそれで幸せそうだし。
俺にすげー優しいし。
ま、征士との前に俺、女の子とは散々やらせていただきましたから。
どっちも体験できる、俺の人生ってラッキー…かもしれない、ということにする。
今更また逆にしてはじめからやるのも面倒だし。
ほら、俺って面倒くさがりだからさ。
おわり
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【 あとがき 】
私がここまでハマる原因となった
大、大、大好きなgさんの素敵征当サイトで
gさんが括約筋についての深イイ話をつぶやかれていて。
私もしみじみ感動してしまいました(笑)
で、私の中で盛り上がった話はナゼかこれ。
独りよがりでエロくもないし萌えないし、ダメですね。
ごめんなさいー。
てなわけで、うちの征当当麻は、
「本当は対等だけど、たまたま受けなんだからな!たまたまだからな!」
って思っていらっしゃるわけなんですけれども。
でもね、本当は違う。
当麻はね、埋めて欲しいんだと思うの。
いろんなところを。
本人は気づいてないけどね。
あ、こういうの、後書きに書かずに話に盛り込めよって。
精進します。2013。