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タンザニア日記1

なんとムカラ×当麻です。
続くかどうかは、ご要望次第かな(笑)



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九月三日 日曜日


やっと、ものが書ける環境が整ったので、今日から日記を綴る。

俺の記憶によれば、今日は九月三日。
日曜日のはずだ。
タンザニアの、現代文明とは隔絶されたこの村で、俺はカレンダーらしきものを今だ発見できていない。
今もこの村のどこかで正確に日付と時間を刻んでくれているはずの俺のカシオの腕時計や、自作の小型コンピュータは、遼達が日本へ帰った日に、他の衣服や荷物とともに取り上げられたままだ。
持ち物で残されたのは、ドドマで両替した多少の現金だけだった。

この夏、新宿に現れたムカラに攫われた、遼と征士を救うために俺たちはこの村に辿り着き、輝煌帝の鎧に纏わる厄介事を片付け、事件は一応の収束をみた。
皆は日本へと帰っていったが、俺は村の住人の勧めるがままに、この地にしばらく滞在をすることにした。
この村の、この地域にも珍しい風変わりな言語と風習を、今少し調べてみたかったからだ。

その判断は浅はかだったかもしれないと、今は少し後悔している。

一九九八年九月三日現在、俺はなぜかこの村で、村の守り神的存在であるムカラの嫁ということになっている。

俺がムカラの嫁にされるための、あの悪夢のようなセレモニーについては、できることなら思い出したくはない。
結婚の儀式に立ち会っていた大勢の村人の中に、許嫁のはずだったナリアがいた。
ムカラにのしかかられた俺を見る、あの哀れみの眼差しは忘れられない。
遼達が帰ってから、今日までの半月の間に俺の身に何があったのか。
この日記は、貴重な資料にはなるはずだ。
気は滅入るが、明日から少しずつ記録していこうと思う。

今日はもう、俺の部屋兼このムカラの寝所になっているこの家に、ムカラが戻ってくる頃だ。
さすがに慣れてはきたが、今夜もまた長い夜になるのかと思うと、何とも言えない気持ちになる。

俺は日本へ帰れるのだろうか。



つづく?
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