たいいくのひ

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「やあ。当麻」

「伸か。しばらくだな。どうした」

「うん。実は今、羽田なんだ」

「羽田？ こっちで仕事か」

「そうなんだ。午後、新宿で打ち合わせがあってね。当麻が暇なら、その前に一緒にお昼、どうかなと思って」

「なるほど。俺は…………と……。ああ。新宿で昼飯なら、大丈夫だ」

「よかった。じゃあ……」

「伸。征士、誘ってもいいか？」

「もちろん！平日だけど、 来られそうかな。征士も仕事だろう？」

「ああ。いつも通り出かけたからな。だが最近は、多少時間の融通が効くらしい。昨日も征士と昼に待ち合わせて、一緒に食ったんだ」

「相変わらず、仲のおよろしいことで」

「仕事だからと声も掛けないで、伸と二人で会ってたって言ったら、あいつ、後からうるさいからな」

「ふぅん。征士のこと、わかってきたんだねぇ、当麻も」

「長い腐れ縁だからなぁ……」

「じゃ、征士がダメだったら、ナシかな？」

「いや。あいつの都合がつかないなら、そこまで気を遣う必要はない。二人で食おう」

「大丈夫なの？」

「あいつもお前に会いたいだろうし、穏やかではなかろうがな。しかし相手が伸なら、おかしな心配はしないだろうし」

「おかしな、ねぇ」

「だいたい、まったくおかしいんだ。相手が男でも女でも、俺が誰かと二人で食事したなんてバレると、もう一晩中機嫌が悪くて……」

「一晩中、ねぇ」

「いや、まぁ、あの、そうだな。じゃ、とりあえず新宿に向かってくれ。征士がいてもいなくても、西口辺りでどこか入るってことで」

「はいはい。じゃ、連絡待ってるね」

「ああ」

「来られなかったら、征士によろしく言っといて。ヤキモチもほどほどにしなよって」

「ははは。じゃ、新宿で」

「はーい」




おわり