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【116】秘密

今日で6月もおわり。
月日の経つのは早いもの。
今日のTwitterより。



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「じゃ、そういうことで。集合はここだ」

わかった、と皆それぞれ当麻の立てた作戦の通りに持ち場へと向かう。
私は最も遠くまで行かなくてはならない。
急ごうと踵を返し、アンダーギアにスピードを乗せようとした、その時。

「……どうした?」

振り返り出発しようとしない私に、当麻が尋ねる。

「今、お前が顔を歪めた気がしたのだが……」

「何でもない」

私の言葉にぶっきらぼうに答えた当麻は、台詞とは裏腹にまた眉間に皺を寄せた。

「腹でも痛むのか?」

「腹が痛いのはおさまった。まったく、考えなしに全部ナカに出しやがって」

「……す、すまない」

昨日の晩。
仲間たちの眠る焚き火の周りから二人離れて、誰にも言えないことをした。

(おそらく)二人とも、初めての行為だった。

当麻の中に、ねじ込みたい。
当麻は、誰かに(私に?)ねじ込まれたい。


二人の欲が、うまくまとまったのだ。

当麻は白いジーンズを片脚だけ脱ぐと、葉の枯れ果てた朽ちかけの大樹の幹に手をついて、私を誘った。

「早く、来いよ」

私のものはすでに浅ましくいきり勃っていて、ズボンを下ろすのも苦労がいるくらいだった。
ようやくその先端を、当麻の孔に当てる。
ヒクヒクと、そこから温かいケモノの気配が伝わってくる。
しかし、こんなものが、こんなところに本当に挿入いるのだろうか。

「本当に、いいのか?」

あちらを向いている当麻に尋ねる。

「いいって言ってるだろう。早くやれよ」

苛ついた声が返ってくる。
当麻も少し、息が上がっている。
覗き込めば当麻のものも、固くなって上を向いていた。

興奮しているのだ。

そう思ったら、私のものが、もう我慢できないと武者震いをする。
早く、当麻の中に入りたい。

「では……」

かすれた声が出たが、構わず推し進めた。
メリメリという感触がして、私の先端が当麻の中に押し入っていく。

当麻が小さく悲鳴を上げた。

「ダメかも」

確かにそう、聞こえてもいた。
しかし私としてはもう、進むよりなかったのだ。

「ちょ、待て、ストップ!」

「無理だ」

「うわぁああ!」

当麻の上ずった叫び声とともに、私のものはきっちり奥まで当麻の中に埋まった。
少し引いて、また最奥へとぶち込む。

「う……ああ……!」

当麻が背を仰け反らせ、股間のものがブルンと跳ね上がり、その先から白い粘液がほとばしり出るのが見えた。

そこからはもう、何も考えることなどできなかった。
呻く当麻にひたすら腰を打ち付けた。
そんなに長い時間は持たなかったように思う。
ただただ階段を駆け上がり、その頂上で欲望の全てをぶちまけてしまった。

腹の中にそんなものを流し込めば、腹が痛くなるのに決まっているのだ。

「もう痛くないから」

当麻は苦笑いをして、私を許す。
そんな顔も気に入っていると思う。
私は当麻を好いているのだ。

「でも……配慮が足りなかった。次からは、外に出す」

「次があるのか?」

当麻が驚いた顔をして、それから、

「ま、いいけど。次はちょっと手柔らかに頼む。止まれと言ったら、止まれ」

と言って、また少し眉を寄せた。

「わかった。悪かったな」

そんな余裕は次もなさそうだがと考える。
しかし、今はそう答えておくしかない。

「お前ばっかり悪いわけじゃない。ほら、さっさと持ち場へ行けよ」

智将殿はアンダーギアの白い手をひらひらと降って、私を追い立てた。

「気をつけて」

「互いにな」

声をかけあって、別れる。
どういうつもりで、そんなことを受け入れるのか。
私のことを、当麻はどう思っているのか。

いつか聞いてみよう。

そう区切りをつけて、私はアンダーギアにスピードを乗せた。





おわり
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