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【107】神官と魔道士

Hさんの「立場上仲が悪い神官征士さんと魔法使い青くんが、○ックスしないと出られない部屋に閉じ込められて仕方なく致し始めるんだけど、緑さんたら青の可愛さに目覚めちゃってメロメロで出た後もずっといちゃいちゃする話が読みたいので誰か書いてください描いて下さい
神官緑さんとかめっちゃ好き好」(最後文字数w)とのツイートを受けて。
走り書きすみません。

パラレル緑青。エッチあり、です。

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**********


 瑠璃色の魔導士のローブをまとった空色の髪の少年が、合わせた両手の中に意識を集中させ、最高位の炎系魔法の呪文を唱え始める。
「待て。いくらなんでもそれは無茶だ。私が死ぬ」
「……だよな」
 作られかけた火の玉は、ポン、と音を立てて消えた。
『ここはセックスしないと出られない部屋です』
 固く閉ざされたドアには一枚、こんなシンプルかつあられもない書付が貼ってある。それは魔導士の少年、王国魔法庁の長官の息子トウマの唱えた低位の炎系魔法で、いくらか焼け焦げていた。
「……扉を開ける魔法も、空間移動の魔法も効かん。処置なしだ」
「いつも大口を叩くくせに、貴様の魔法はこの程度か」
 王国の大神官の跡取り息子、セイジは鋭くトウマを睨みつけた。
「なんだと⁉ だったらお前がなんとかしてみろ」
 トウマが殴りかからんばかりに食ってかかる。セイジは一歩下がって腕を組んで胸を張り、冷たくトウマを見下ろす。
「貴様がいつもそんな態度だから、長官殿も父も心配してこんなことになるのだ」
「俺のせいじゃない。お前が悪い。まったくいつだって偉そうに俺に指図ばかりしやがって。今日だってお前が俺にしつこく絡んで苛つかせるからこんなことになったんだ。それにしても親父の野郎、よりにもよってこんな部屋に閉じ込めやがって」
トウマは忌々しそうに、開く気配もない頑強な扉を蹴りつけた。
「仲の悪い二人の関係を改善するための部屋に閉じ込めたおつもりなのだろうがな」
「明らかに夫婦の関係修復用だろう、これは。完全に間違ってる。これでよく長官が務まるもんだ」
二人の少年は同時にため息をつく。
「条件を変更する呪文はないのか」
「そんな都合のいい魔法は聞いたことがない」
「ならば」
セイジは腕を組んだまま、愁眉を寄せる。
「条件にかなうよう、行動するよりほかあるまい」
「くそっ」
トウマはもう一度、扉を蹴り飛ばした。


しばらく扉の書付を見つめていたトウマが振り返る。魔力を秘めた宝石をちりばめた青い布が巻かれた額の下の、青い瞳がいたずらに輝いた。
「神聖なる神官が、魔導士を犯すわけにはいかないよなぁ、セイジ」
「どういうことだ」
「この状況ではセックスをせざるを得ない。どちらかがどちらかに挿 れなきゃならんわけだ」
「どちらかが……」
セイジは固唾を飲んだ。トウマは、それを見て満足気に鼻で笑う。
「無論、俺がお前に、になる。神に仕える身で積極的にそんなこと、できるわけはないだろう」
トウマはセイジの前まで歩み寄り、魔道士の指輪に彩られたその手で、セイジの頬を撫で、瞳の奥を覗き込む。
「な?」
「そうか……致し方ない」
セイジは長いまつ毛に縁どられた麗しい瞳を伏せる。トウマは引き締められたセイジの口元に唇を寄せ、そっと口づけた。
翡翠の色に金をあしらった長い裾を引き上げ、腰巻きの紐を払う。幾重かに重なった官衣の奥に、トウマの手がセイジのペニスを探し当てた。初めて触れる、他人のもの。思わぬ重みと熱にどきりとする。
動揺を隠そうとトウマの手がそこを離れ、その奥に進もうとしたそのとき、セイジの手がトウマの手を衣の上からむずと掴んだ。
「!?」
「貴様が私を抱くのだろう? ならば満足させてもらおう」
焦ったトウマがセイジの顔を見れば、欲に濡れたアメジストにしかと捉えられ、目を離すことができなくなる。
その間にもトウマが触れているセイジの中心は更に熱を帯び、確実にその質量を増している。
半ば開いたままのトウマの口に、セイジの舌が差し入れられる。トウマが慌てて顔を離そうとすれば、セイジのもう片方の手がトウマの頭の後ろを掴み、熱い舌が更にトウマの口内を弄った。
「……おいっ」
やっとのことでトウマが言葉を発すると、セイジはゆっくりとトウマに触れていた手を離した。
「セイジ、お前、どういう……」
上気したトウマの頬はバラ色に染まり、息は浅く、瞳のサファイアはより一層蒼ざめている。
「どうもこうもない。我々はセックスをするのであろう。するのならば本気でやるまでのこと。まさかトウマ、お前、初めてなのではあるまい」
「まさかはこっちの台詞だ。セイジお前、やったことがあるのか」
その声は余裕なく、かすれている。
「大神殿に上がる前に経験しておくのが習わしだ。ただ、抱いたことはあるが、抱かれたことはない」
あまりに予想外の展開に、トウマは目を見張るばかり。
「トウマ、お前、本当に初めてなのか」
そうではないと虚勢を張りたいところだが、すでに見せつけられた感のある経験の差に、トウマはもう赤らめた頰のまま頷くしかなかった。
「抱かれるのは私も初めてだ。条件は同じ。せいぜい楽しもうではないか」
セイジの手がトウマの法衣の前合わせの銀ボタンを外していく。魔法のダメージを和らげるための薄い肌着が捲り上げられ、陶器のような肌が露わになった。
「綺麗だな」
「……抜かせっ」
セイジの舌先がトウマの首筋を辿り、指先は胸の尖を優しく転がす。
「…………っ」
まだ始まったばかりであるというのに、トウマが声を出すまいと懸命に堪え、セイジの与える刺激の一つ一つにびくびくと身体が反応させてしまっているのが伝わってくる。せめてセイジのペニスに触れようとさまよっていたトウマの指は、いつのまにかセイジの肩をしっかりとつかまえて、自分の身体を支えることが精いっぱいになっていた。
経験を重ねるためだけにあてがわれた女性たちとは違う、トウマの初々しい反応に、セイジは次第に夢中になっていく。
「さっきの勢いはどうした」
耳元で囁けば、それすらも愛撫に感じられるらしく、トウマはがくがくと膝から崩れ落ちそうになる。セイジは背中を支え、床の上にトウマの身体を横たえた。
はだけられた法衣から、興奮に濡れそぼつトウマのペニスが覗く。セイジは誘われるように唇を寄せ、口づけを落としてから先端をそっと口に含んだ。
「……! セイジ、よせっ」
トウマはすでに涙声。口だけでなく、指先でしなやかな竿をゆるゆるとこすり上げてやれば、トウマはとうとう我慢しきれず、腰を浮かせて高い声を上げた。その声をもっと聞きたくて、セイジが先端を音を立てて吸い上げる。
「……ぅぁあっ」
びくびくっとトウマの腰が跳ね上がり、同時に唇を離したセイジの口元に向かって精が勢いよく吐き出された。
横たわる当麻の胸が、荒い息で激しく上下する。恥ずかしさでいっぱいになり、トウマは両手で顔を隠した。
「トウマ。私が今まで抱いたどの女より可愛らしい」
セイジは自分の顔にかかったトウマの体液を指先ですくい取り、射精したことによってほころびかけた奥へと進める。
「ちょ、待て、話が違っ」
起き上がろうとするトウマを、セイジが制する。
「これからお前が私を抱くより、このまま進めた方が、扉は早く開くと思うが」
ぬるり、とトウマの中に、セイジの中指が差し込まれる。
それだけで、トウマのペニスはまた反り返り、その先端を濡らす。
セイジは一度指を引き抜き、その滴りを指先へ塗りつけると、今度は人差し指と中指を揃えてまだ恥ずかしがるトウマの蕾へと差し入れようとする。
「やっ……」
身体をひねって逃れようとするトウマに、セイジは低く、優しく声をかける。
「トウマ。身体を緩め、痛みを和らげる魔法があるだろう。治癒魔法も使える賢いお前なら知っているはずだ」
数秒の後、また両手で顔を覆ったままトウマはこくこくと頷いた。桜の花びらのようにほんのりと羞恥に染まった唇から、呟くように小さく呪文が流れ出す。
トウマの下肢から段々と力が抜けていく。
それからしばらく時間をかけて、セイジの指と舌とで丹念にそこは寛げられていった。
「……いいか」
「よく、ない」
言葉の上辺はNOだが、とろんと蕩けた視線はセイジに是を伝えていた。
トウマにのしかかったセイジは、待ちわびて濡れたセイジ自身を、ゆっくりとトウマの中へと沈めていった。
カチャリ。
重い扉の向こうから、錠の外れる音が聞こえた。


「酷い!酷すぎる!」
目の前に山と積み上げられ、トウマが頬張っている色とりどりの糖衣のかかったドーナツは、部屋のチョイスを微妙に間違えた長官である父親からの詫びの品。
隣でその様子を満足気に眺めているセイジはしかし、二人の仲を取り持つ意味では実に効果的な部屋であったと、内心で深く頷くのであった。
それからも二人は、末永く仲良しになったとさ。


おしまい!
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