たいいくのひ
since November 22th 2012
【067】おめでとう ありがとう
伊達誕!
何とか間に合いました。
相変わらず当麻バカな征士さんです。
お誕生日おめでとうございます。
いちゃいちゃしてるだけー。
**********
「当麻? ……もう寝ているのか」
「ん……あ。おかえり、征士。どうした?」
「今日は随分と早く寝たのだな」
「何時だ?」
「もうすぐ十二時か」
「ふわぁ。俺もう、二時間くらい寝たわ。ここ三日間ほとんど徹夜だっただろ。さすがに眠くてな」
「早いのは結構だが、腹を出して寝るんじゃない。薄掛けもきちんとかけろ」
「暑かったんだよ、寝に入った時は。そう言や、少し寒いな」
「そうだろう。掛けろ掛けろ。風邪をひく」
「ん……で、何だよ。何か用があったんじゃないのか?」
「ああ。明日も帰りはこんな時間になってしまいそうだ。自分から言うのもなんだが、明日は何か予定を考えてくれているのではないかと思ってな」
「あ。お前の誕生日? そうだなぁ。俺も明日、昼間は忙しいんで、夜一緒に外で飯でもと思ってはいたけど」
「そうか」
「とりあえず、明日はナシだな」
「ああ。すまんな」
「ま、美味い飯は逃げないから、お前の仕事が落ち着いたら行こうぜ」
「そうだな……」
「何だよ。何か不満か?」
「つまらんな。こんなに働いているのに、自分の誕生日に恋人と食事をするなどという、ささやかな願いさえ叶わんとは」
「まぁ、それが日本のサラリーマンってもんですよ」
「それから……」
「ん?」
「お前が、ものわかりが良すぎるのがつまらん」
「は?」
「仕事と私どっちが大事なの⁉︎ とか言わないからな、お前は」
「……お前、そういう女とつきあってたのか?」
「知っているだろう。私はお前以外の人間と交際したことなどない」
「……威張って言うことでもないと思うがな。まったくこんなに美人で仕事もできるイイ男なのに、つくづくザンネンな奴だよなぁ」
「残念とは何だ。十四で出会ってからこの方、ずっとお前だけを見てきたのだ。仕方がないだろう」
「はいはいはい。ありがとありがと。……で、言って欲しいのか?」
「何をだ」
「俺と仕事と、どっちが大事なんだよ」
「………」
「んだよ」
「………可愛いな」
「抜かせ」
「お前より大切なものなど何もないはずなのだがな……。辞めるか」
「仕事をか? おいおい、早まるなよな。冗談に聞こえないぜ」
「実際、辞めるわけにもいかないからな。……困るものだな。どちらか選べと言われると」
「まあ、仕事以下だと思われているとは思ってないから、安心しろ」
「お前はどうだ」
「何が?」
「仕事と私、どちらが大切だ」
「お前に決まってるだろ。仕事の代わりはいくらでもあるが、お前の代わりはいないからな」
「………」
「感動したか?」
「泣きそうだ。もしかすると仕事の方が面白いと言われるかと心配した」
「あはは。お前より面白い奴も、なかなかいないよ」
「その言い方は少し引っかかるが……。幸せだな。たとえ会社に飼い殺されそうになろうとも」
「それ、本当に心配だから。気をつけてくれよ」
「わかっている。まぁ忙しいのも今月いっぱいだろう。ゆっくり食事は来月だな。……七夕なんてどうだ? ロマンチックではないか」
「七夕ねぇ。一年に一度しか会えなくなりそうで、縁起でもないかな」
「ははは。ではもう少し早く……。ああ、起こして悪かったな。眠ってくれ。私も風呂に入ってこよう」
「あ。何時になった?」
「ん? 十二時を過ぎたな」
「誕生日おめでとう、征士」
「ありがとう」
「起こしてくれて、ありがとな」
「起きてくれて、ありがとう」
「うーん」
「どうした?」
「お前が風呂から上がったら、俺はもう一度起こされるかもしれん」
「起こしていいのか?」
「起こされるのは勘弁だから、もう少し起きて待っていようかな」
「では努めて早く入ってこよう」
「準備運動をしておこう」
「念入りにな」
「お手柔らかに!」
end
何とか間に合いました。
相変わらず当麻バカな征士さんです。
お誕生日おめでとうございます。
いちゃいちゃしてるだけー。
**********
「当麻? ……もう寝ているのか」
「ん……あ。おかえり、征士。どうした?」
「今日は随分と早く寝たのだな」
「何時だ?」
「もうすぐ十二時か」
「ふわぁ。俺もう、二時間くらい寝たわ。ここ三日間ほとんど徹夜だっただろ。さすがに眠くてな」
「早いのは結構だが、腹を出して寝るんじゃない。薄掛けもきちんとかけろ」
「暑かったんだよ、寝に入った時は。そう言や、少し寒いな」
「そうだろう。掛けろ掛けろ。風邪をひく」
「ん……で、何だよ。何か用があったんじゃないのか?」
「ああ。明日も帰りはこんな時間になってしまいそうだ。自分から言うのもなんだが、明日は何か予定を考えてくれているのではないかと思ってな」
「あ。お前の誕生日? そうだなぁ。俺も明日、昼間は忙しいんで、夜一緒に外で飯でもと思ってはいたけど」
「そうか」
「とりあえず、明日はナシだな」
「ああ。すまんな」
「ま、美味い飯は逃げないから、お前の仕事が落ち着いたら行こうぜ」
「そうだな……」
「何だよ。何か不満か?」
「つまらんな。こんなに働いているのに、自分の誕生日に恋人と食事をするなどという、ささやかな願いさえ叶わんとは」
「まぁ、それが日本のサラリーマンってもんですよ」
「それから……」
「ん?」
「お前が、ものわかりが良すぎるのがつまらん」
「は?」
「仕事と私どっちが大事なの⁉︎ とか言わないからな、お前は」
「……お前、そういう女とつきあってたのか?」
「知っているだろう。私はお前以外の人間と交際したことなどない」
「……威張って言うことでもないと思うがな。まったくこんなに美人で仕事もできるイイ男なのに、つくづくザンネンな奴だよなぁ」
「残念とは何だ。十四で出会ってからこの方、ずっとお前だけを見てきたのだ。仕方がないだろう」
「はいはいはい。ありがとありがと。……で、言って欲しいのか?」
「何をだ」
「俺と仕事と、どっちが大事なんだよ」
「………」
「んだよ」
「………可愛いな」
「抜かせ」
「お前より大切なものなど何もないはずなのだがな……。辞めるか」
「仕事をか? おいおい、早まるなよな。冗談に聞こえないぜ」
「実際、辞めるわけにもいかないからな。……困るものだな。どちらか選べと言われると」
「まあ、仕事以下だと思われているとは思ってないから、安心しろ」
「お前はどうだ」
「何が?」
「仕事と私、どちらが大切だ」
「お前に決まってるだろ。仕事の代わりはいくらでもあるが、お前の代わりはいないからな」
「………」
「感動したか?」
「泣きそうだ。もしかすると仕事の方が面白いと言われるかと心配した」
「あはは。お前より面白い奴も、なかなかいないよ」
「その言い方は少し引っかかるが……。幸せだな。たとえ会社に飼い殺されそうになろうとも」
「それ、本当に心配だから。気をつけてくれよ」
「わかっている。まぁ忙しいのも今月いっぱいだろう。ゆっくり食事は来月だな。……七夕なんてどうだ? ロマンチックではないか」
「七夕ねぇ。一年に一度しか会えなくなりそうで、縁起でもないかな」
「ははは。ではもう少し早く……。ああ、起こして悪かったな。眠ってくれ。私も風呂に入ってこよう」
「あ。何時になった?」
「ん? 十二時を過ぎたな」
「誕生日おめでとう、征士」
「ありがとう」
「起こしてくれて、ありがとな」
「起きてくれて、ありがとう」
「うーん」
「どうした?」
「お前が風呂から上がったら、俺はもう一度起こされるかもしれん」
「起こしていいのか?」
「起こされるのは勘弁だから、もう少し起きて待っていようかな」
「では努めて早く入ってこよう」
「準備運動をしておこう」
「念入りにな」
「お手柔らかに!」
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