たいいくのひ

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「当麻」

「………」

「おはよう、当麻」
 
「……ん……はよ……何時だ？」

「5時だ」

「ご……？」

「5時だ。朝の5時」

「………おやすみ」

「当麻」

「………」
 
「当麻」

「……ごそごそ動くなよ。寒いだろ。お前もまだ寝てろ。おやすみ」

「今日はバレンタインデーだ」

「………」

「今日はバレンタインデーだな」

「………」

「今日は、バレンタインデーだな、当麻」

「うるさいな……。もうちょっと寝かせろ……」

「今日はバレンタインデーだ。当麻」

「………」

「今日は」

「知ってるよ！ バレンタインだからって、日付け変わった瞬間から何回やったと思ってる？ 俺はまだ眠いんだよ！ しかも俺の仕事は7時に起きれば充分間に合うんだ。起きるなら一人で起きろよ ！」

「………」

「だいたいバレンタインと『やる』のと関係ないだろうが……」

「………」

「何なんだよ……何だかもう目が覚めたぞ……」

「当麻。今日はバレンタインデーだ」

「まだ言うか。あーはいはいそーですね」

「私はチョコレートはいらないのだ」

「そーでしょう、そーでしょうとも。知ってます。知ってます」

「だからチョコレートの代わりにお前を……」

「だからそう言って夕べ散々……っ。指を突っ込むな！」

「つれないことを言う割りには……」

「それは、つい数時間前までやってた…からっ……よせよっ。平日なん、だ、…ぞ」

「私は今日は非番だ」

「お前の非番は俺には関係ない！」

「冷たいな」

「だいたいお前は何回やろうがほとんど寝なかろうがいつも元気にご出勤だろうが……って、だからごそごそすんなって言ってるだろ？ 寒いんだよ」

「寒いのはお前が裸で寝ているからだろう」

「それは…人が意識を失うまで、お前がめちゃくちゃする……からっ。そこ、触るなってば！」

「触るなと言いながら、こんなにして。誘っているのだろう？ 」

「お前が触るからだっ。誘って…ないから！」

「すぐにあたたかくしてやる」

「んぁっ、馬鹿！ 仕事だっつって……っ」

「ダメか？」

「ダメかって、……挿れてから言ってんじゃ……ぁっ」

「仕事は諦めろ」

「諦めろって……っ。んっ、あ」

「仕方がない。バレンタインデーはこれからが本番なのだからな」

「…くそっ。征士お前、ホワイトデーは覚えてろよ！ って、……何すりゃ仕返しになるのかわかんねぇ！」



おわり


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なんだかんだ言いながら最後は付き合っちゃうんだからー。
好きなんだからー。