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【059】聖夜に

@kco_tenku: 10分以内に3RTされたら当麻に征士さんが厳かに足の甲に隷属のキスをするところを描き(書き)ます http://t.co/AVjNrDiCRH
素敵すぎる…*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*誰か! 誰かー‼︎



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二人とも貧乏学生なのだから、何か特別なことをしようとは、初めから思ってはいなかったのだ。
イブの夜に二人ともバイトがなかったのは、シフトの交代を急に頼まれたりした奇跡的な偶然で。
いつもの定食屋で待ち合わせの前に、品の良い個人商店の紳士服の店のショーウィンドウに、彼に似合いそうな青いマフラーを見つけ、財布の中身をはたいてしまったのも、別にクリスマスだからというわけではなかった。

本当にすっかり財布は空になってしまったものだから、定食屋には入らずに彼をアパートに誘う。
小さな冷蔵庫と、流しの下を隅々まで探して、食欲旺盛な学生二人の腹の虫をなんとか収める。

そう言えば、と、買ってきたマフラーを巻いてやると、やはりそれは彼の細くて長い首にとてもよく似合った。
プレゼントなんて用意していないと詫びる彼をベッドに座らせて、部屋の明かりを消す。
窓から街灯の光がさして、青い短髪の輪郭だけがぼうっと浮かび上がる。

私はその前に跪いて、彼の冷たい素足の足を取り、その甲にうやうやしく口づけした。

「どうしたって言うんだよ」

笑みを含んだ声が頭の上から降りてくる。
もう一度、同じ場所に口づける。

「征士?」

すぐにわけを知りたがる、彼の柔らかな声が少し近づく。
わけなんて自分でもよくわからない。

世界中が神様とやらに感謝する夜に、私も感謝したいのだろうか。
彼と私を引き合わせてくれたことに。

いや、神様なんて信じてはいない。
私の真実はいつもここにある。
この人の瞳の中に。
静かに燃える青い魂の中に。

三度目、また同じ場所へ唇を寄せると、彼が私の頭をそっとその両手で包み、ゆっくりと上を向くように私を導く。

「征士」

あたたかな唇が私の額に当てられる。
マフラーが顔をくすぐる。

彼の唇は私の鼻先をかすめ、唇に重ねられる。
彼の舌が私を求めて、閉じた唇をなぞる。
私は立ち上がって彼を抱き寄せ、もう一度、深く口づける。

お前のために私ができることなら何でもしよう。
お前が私を求めてくれるなら、私はいつでもそれに応える。
当麻。
私のすべては、お前のものだ。





end

**********


せっかくなのでクリスマスっぽく。
厳か、は最後までよくわからず。
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