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【052】happening

朝っぱらに目覚めてしまった青い人。
誘い受け!




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ふと目覚めたら、窓の外はまだ暗い。
手を伸ばしてケータイで確かめれば、まだ朝の四時。
朝? だよな、四時は。

いつも早起きな恋人も、さすがにまだ隣で寝息を立てている。
当然のように、もう一度寝ようと思ったら。
なんだか妙に昂ぶって寝つくことができない。
俺としたことが。
昂ぶるような夢見てたかなぁと思い出そうとしても、さっきまでの夢の内容はさっぱり思い出せないのに、身体だけが先走りしはじめる。

…仕方がねぇ、ヌくか。

一人でヌくなんて、久々だなと思いながら。
寒いから布団の中で。
でも隣にくっついて寝ている征士のメイワクにならないように。
そっと。
さっと。
適当に終わりにしようと思うのに、隣の体温と規則正しい寝息がだんだん気になってくる。
俺の身体の奥底が。
征士と繋がりたいと主張しだす。

なんなんだ。
男なんだからさ、とっとと出して満足しろよ。
そう自分に言い聞かせてみるけれども。
俺の身体ってば、すっかりこの隣の野郎に調教されちまってんのな。

まいった。

「おーい、征士サン」

耳元で囁いてみる。

「ん…? どうした…朝か…?」

行儀良く真上を向いていた身体が反転する。

「もうすぐ朝なんだけどさ、ちょっとモヨオシまして、お誘い申し上げてるんですケド」

悪いネ、という気持ちを語尾の辺りにこめて。

「何時だ?」

「四時」

そうしたら。
さすがだね。
この寝起きの良い元気な野郎は。

「たっぷり一時間楽しめるな」

とのたまって、笑みを浮かべて。

「いや、そんなに頑張っていただかなくても。ほんのちょっと、一通りでいいんだけ…」

慌てて距離をとろうとしたが、もう遅い。
あっという間に絡め取られて手中に収まりそうになる。

でもここは十五分早く目覚めて、しかもエンジンかかってる俺の意地もあり。
負けずに上に跨って、早くも妖しい光を放ち始めた紫の瞳の上の、白い額に俺の額をあてて。

「俺、もう準備万端なんだけど?」

もう、こうなったら襲ってやるくらいの勢いで。
誘う。
征士のパジャマのボタンをはずしていく。
こんな時間に何をやってんだかと半ば自分に呆れながらも、俺も征士ももう後戻りはできなくて。

少しずつ白んでいく窓の外を感じながら、身体いっぱいに征士を堪能する。
俺の全部を持っていかれる。

週まだ半ばだが知るもんか。
仕事なんか、なるようになれ。

我を忘れて貪り貪られる、降ってわいた熱に浮かされる朝。








おわり

**********


そして疲れて二度寝して、二人で遅刻もいいですねー。
時も場合も選ばない二人、万歳!


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