たいいくのひ

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「ナアザか？」

「そうだ、天空。この電話というものは便利なものだな」

「だろ？ まさかそっちとこっちで、こんなに簡単に、うまくつながるとは思わなかったがな」

「で、例の薬の首尾はどうだ」

「バッチリだ。一晩ですっかり女になってる」

「気分はどうだ」

「最悪らしいな」

「らしい…？ お主、自分で飲んだのではないのか」

「まさか。こんな怪しい薬、まずは動物実験だろ」

「何に飲ませたのだ。犬か何かか」

「征士」

「征士とは……光輪？」

「そ。元はと言えばあいつのために女になる薬なんて考えたんだ。そのくらい協力してもらってもいいだろう」

「よく承知したな」

「承知なんてするもんか。寝酒に一服盛ったんだ」

「……大丈夫なのか？」

「大丈夫。俺がやったとは、まだバレてない。今はそれどころじゃないらしい」

「………。で、最悪とは？ 気分が悪そうなのか」

「いや、起き抜けはいつもと変わらなかったから、身体的には平気みたいだ。ただ…」

「ただ？」

「女になったという事実がな、本人的にはどうにも大変らしい」

「どのようにだ」

「一通り身体を調べた後、もう半日、うなだれたまま微動だにしない」

「………気の毒にな…」

「やっぱり性転換ってのは、そう一筋縄ではいかないな」

「そうであろうな」

「てことで、俺はやめとくわ。俺が女になることで世間的にうまくいくんだったら、それでもいいかと思ったんだけどな」

「それがよかろう。解毒の薬をとりにくるか？」

「ああ、そのうちな」

「急がんのか」

「しばらく女の気持ちを味わってもらうのもいいだろ。俺もたまには休みたい」

「………お主も大変なのだな」

「まぁな。じゃ、そっち行くときに、また連絡する」

「ほどほどにな」

「ああ。明日また経過報告するよ。またな！」








おわり

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これ、女体化SSって言っていいのかわからないけど。
征士さん、お気の毒です。