たいいくのひ

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「もしもし？」

「あ、俺。遼」

「おー。どうした？」

「今度の金曜日、お前らんち泊まりに行ってもいいか？」

「ん、ちょっと待ってな。えーっと、こ、ん、ど、の、き、ん、よ、お、び、っと……あーいるいる。俺いるから。征士いないけど」

「あ、じゃあいいや」

「なんだよ。征士に用があるのか？」

「いや、近くで飲むから泊めてほしいだけ」

「ならいいじゃないか。来いよ」

「でもなー」

「んだよ」

「征士に悪いだろ？」

「は？」

「だからさ、征士の留守にお邪魔しちゃ悪いだろ」

「誰に？」

「征士に」

「誰が？」

「誰が……って？」

「誰がってことはないか。だから何がどう悪いんだよ」

「だってさ、奥さん一人のところに男が遊びに行っちゃまずいだろう」

「…………誰が奥さんだよ」

「お前」

「…………」

「どうした？」

「あのさー。お前さ、俺が男だって知ってるな？」

「ん？ ああ」

「女だと思ってるわけじゃないな？」

「思ってないよ。何回一緒に風呂に入ってんだよ」

「だよな？ お前が俺と征士の何を知っているのか知りたくもないが、男の俺がいるウチに男のお前が泊まりにきて、なに悪いことがあるっていうんだよ」

「いや、だからさ、当麻は平気なんだろうけど……征士はさぁ」

「じゃあなんだ？ 征士が一人だったらどうなんだよ。遠慮するのか？」

「ん？ んー、しないかな」

「なんでだよ。一緒だろ」

「一緒じゃないだろ。征士が一人んとこに俺が泊まりに行ったら、当麻はどう思う？」

「別に？ まぁ、俺も会いたかったな、とは思うだろうがな」

「だろ？ 征士はさ、違うだろう」

「なんで？」

「いやがるだろ？」

「なんでだよー……って、あ、征士帰ってきた。ちょっと待ってろ？ おい、征士。遼から電話。今度の金曜日ウチに泊まりにくるんだってさ……」

「ああ、遼か。今度の金曜日は私がいない。またにしてくれ。悪いな」

「ちょ、ちょっとおま、な何言って……代われよっ。あ、遼？ 来ていいんだぞ？」

「ありがとう、当麻。またゆっくり行くよ。悪かったな。喧嘩するなよ！」

「あ、ちょっと！ 待てよ！遼！……あーあ………征士てめぇ、って、征士やめっ おいやめろっ。着替えて来いよっ」




ちーん


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遼ちゃん、おたおめっす。