たいいくのひ
since November 22th 2012
【031】ふたり並んで
素敵な征当の小説サイトblue-dragonのobachammさんと
合作させていただいてしまいました(≧∇≦)!
征当です。
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征当です。
** ご案内 **
*で三部に区切ってあります。
順番にkco > obachammさん > kcoの順で書き加えて行きました。
では、どうぞ!
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では、どうぞ!
**********
新大阪駅の改札口の外に、青い髪。
どこから見ても、相変わらず目立つ。
私だって、あまり人のことは言えないが。
当麻も私を見つけてくれたらしい。
「よっ」と片手をあげるので、こちらも同じように片手で合図を返す。
改札に切符を吸い込ませ、当麻の元へ急ぐ。
「おー、久しぶりぃ」
私の顔を見て、嬉しそうに笑ってくれる。
「ああ、悪いな。迎えに来てもらって」
「腹減ったやろ? なに食いたい?」
私に話すときは今まで通りを心がけてくれてはいるようだが、
さすがに地元ではついつい地元の言葉が出るらしい。
さすがに地元ではついつい地元の言葉が出るらしい。
私の知っている当麻とは違う顔。
そして半年ぶりに会ったというのに、二言目には飯か。
変わらない当麻も嬉しい。
夏休みは小田原で五人で集まった。
ナスティと純も一緒に一泊二日で騒いだ。
翌日私は高校剣道の大会が東京であり、急いで出なくてはならなかった。
当麻は何日か滞在して古文書漁りを堪能したらしい。
二月の今日は、私が高校生スピーチコンテストの全国大会に出場するために大阪に来た。
当麻に連絡したところ、前日に来れば大阪観光に連れ回してくれるということで、それに甘えてやってきたのだ。
「口下手なお前がスピーチコンテストとはなぁ」
ソースの容器にドプンとつけた串カツを口に運びながら、当麻が言った。
「なぜだか担当の教師の目に止まってしまってな。原稿など確かに私の書いたものが元にはなってはいるが、跡形もないほど指導の手が入っている」
「ま、そんなもんやろ」
相変わらず当麻はよく食べる。
「変わりはないか?」
その食べっぷりならば心配もなさそうだが。
「ああ、まぁな。そこそこ楽しんでるけど、刺激がないなぁ」
つまらなさそうに当麻はぼやく。
「東京での日々は刺激的すぎたからな。平和が一番だ」
「まぁな」
当麻が私を正面に見て、にっと笑う。
そんな当麻の表情にも思わず胸をときめかせてしまう自分に内心苦笑する。
***********
「あ、このキャベツ食っていいんだぞ、これはサービスだから」
そう言って目の前に積まれていたキャベツのざく切りをぱりぱりと噛みしだく。
「この大きさのキャベツはなかなか食べないな」
そう言ってから一枚とって咀嚼すればキャベツの甘みが口に広がった。
「美味い……」
「だろ?油もん食った後だから尚更な!」
でも主役はこっちと、又串に手を伸ばし平らげてはまた注文していく。
「おっちゃん、こいつにはシイタケ、アスパラ、豆腐、ぎんなん。俺はロースにタコにホタテ…」
「当麻、ちょっと待て、貴様私に野菜ばかり…」
「お、気づいたか!わかった、やるって、怒るな、危ないだろ?ほら、あーん」
一本足の背の高い丸い椅子に腰をひっかけるようにして座っている為ずり落ちそうになった当麻が、体勢を立て直して私に向かって自分が持っていた串を差し出してきた。
眉間に出来た皺を崩さない様に、表情を変えない様にしてその串にかじりついた……。
ガチ!!
「………当麻………」
口に入れようとした瞬間、串は引き抜かれたため私は空をかんだ。
肩を震わせ笑う当麻の顔を鷲掴みして、私は当麻の前に並べられた串を三本まとめてソースの瓶へと漬け込んだ。
「あ、こら、征士、何すんだよ、俺の…」
抗議して掴み掛るその手も、私の手をふり解くほどの力はなく、悠々と三本平らげてやった。
「あ~あ、しょうがねえの、おっちゃん、俺にホルモンとエビ、こいつにはかぼちゃとキスにオクラ」
ようやく解放してやれば、店主からじろと睨まれた当麻は気にする様子もなく注文を口にする。
騒いだのが気に触ったのだろうと当麻を一瞥するが気にするなといいたげににまっと笑いかけてきた。
「あ~久しぶりに笑った。お前のあの顔!くっくっく……」
「まだ笑うか、いい加減にしろ。また怒られるぞ」
そう返しながら、今言った当麻の言葉が気にかかった。
久しぶりと……。
今の当麻にはこうして気安く笑い合える友人はいないのだろうか?
ぽんと肩を叩かれて、当麻の方に顔を向けると、グイッと頬に食い込んでくる指……。
「先ほどから貴様は……」
言いかけて、止めた。
せっかく久しぶりに会えたのだ、怒ってばかりも味気ない。
「仕方のない奴だ」
いたずらが成功して、してやったりな当麻の嬉しそうな顔を見るとこれ以上怒る気も失せるというものだ。
この穏やかな日常の何が不満なのか。
刺激とは、またあのような事態を望んででもいるのか?そのような物騒な考えは持ってほしくない、当麻には笑っていて欲しい……。
「お、これなんかどうだ?意外と似合うぞ」
そう言ってハンガーに下げられた派手なアロハのようなシャツを当てられた。
「似合うはずがないだろう…お前の方が似合う」
「いいや、これはお前に似合う。もっとお前は既成概念から自分を解き放つべきだな」
「私は充分自分らしくしているつもりだが?」
「いや、お前はこうあるべきという自分から離れていない。もっと奥に潜む自我を出すべきだな」
「で、このシャツを着れば出せるとでもいいたいのか?」
「そうそう。嫌々参加するスピーチ大会、学校をしょっての剣道大会、義務と義理でがんじがらめの自分を今日だけは解放してやれよ」
「私はそれほど窮屈に思っていないぞ?」
「それでも、良いから着てみろって!」
当麻がそれで楽しめるならば固辞する必要もない。当麻の勧めに従ってシャツを羽織った。
「やっぱ似合うって、じゃあおっちゃん、これ着てくわ!俺はこっちな。なんぼ?二着買うんやから負けてえや、な、ええ男が着るんやから宣伝になるって、せやろ?なあ、お姉さんもそう思うやんなあ?」
当麻の値切りが恥ずかしくて腕を引っ張って止せと言いかけたが、店の主人は笑いながら奥さんらしき人と顔を見合わせてから困ったように言いながらまけてくれた。
「しゃあないな~、あんちゃんらぁ、大きな声で宣伝したってェやぁ~?」
「したるしたる!あ、せや、これももらってくは!おまけしてな?」
「兄ちゃんらかっこいいなぁ~、おばちゃんも付いてこかな」
「え~おばちゃんそれは勘弁や。俺らこれからデートやし」
「何や、そうかいな。それでキメテいくんやな、しっかり気張っていきや~」
「おおきに、ほな!」
「まいど!」
怒涛の大阪弁に驚きつつそれに馴染んでいる当麻が珍しくて思わず言いなりな格好をさせられた。真冬でよかった、このような派手なシャツはコートで隠す事が出来る。
当麻も今買った派手なシャツをダウンの下に着こみ、それにカラフルなニット帽をかぶっている。
自分は、似合うかと言われればどうかと疑問だが、当麻はその長い手足と長身で何でも着こなすようだ。
その自由さがまぶしい。
アメリカ村、大阪なのにどこがアメリカなのかよく判らないが、確かに個性的な店が集まっているようで、若者がうじゃうじゃいるのも肯ける。
店を覗いては当麻とあれこれ言い合うのは、初めてで楽しかった。
調子に乗った当麻が見本のヘアークリームをごそっと手に取り私の髪に擦り付けた時には閉口した。
「いい加減に私で遊ぶのは止めろ!」
と、お返しにスーパーハードスプレーをお見舞いして手ぐしで当麻の髪を立たせてやった。
「げ、つんつんや!」
「お前も変身だな」
出来上がった当麻を見て笑いが込み上げくつくつ笑ってると、当麻はさらに、ディスプレイの鏡を見て立った髪にさらに手を加えていった。
「これなら、革ジャンにすればよかったな~、あ、でもお前は似合いすぎて目立つから却下や」
「この時点ですでに目立ってると…」
思う、と言いかけて周囲を見渡せば自分たち以上に奇天烈な格好の若者がうようよしていることに気づき、これならば平気かと思ってしまった。
恐ろしい場所だ。
こんなふうにウインドウショッピングとやらで楽しんだことはなかった。
新鮮な驚きだ。
これも当麻と居る事と、普段しなれない事をしてもおかしくないと感じられる空間、大阪という町のせいだろう。
「お前はいつもこのように買い物を楽しんでいるのか?」
「ん~?普段はないな。今日は特別、大サービスだ。お前がわざわざ仙台くんだりから来てくれたからな」
仙台くんだりにはひっかっかったが、それよりも私のためという言葉が胸に響きじんとしてしまった。
当麻が「来い」と言ってくれと時はうれしかった。
正確には「来るなら案内してやるよ」という物言いだったが私にしてみればイコールだ。
出来ればこの機会に、二人っきりに成れたこのチャンスにかけてみたかった。
内なる自分のこの想いを告げられるチャンス。
だから、教師がスピーチコンテスト云々言いだした時に、開催地が大阪ということで無条件に受けたのだ。
いつ言おう?
言いだすきっかけを探す。
おやつにタコ焼きを道端で頬張りその熱さで口内を火傷してしまった。
「これがいいんやって、あっついのんをこうふうふう言いながら頬張るんが…」
と言いながら熱さで口をすぼめながらはふはふする当麻のすぼめられた口元に視線が集中する。
ソースで濡れた唇が…青のりが付いている、取ってやりたい衝動に駆られる。
「そう言うお前も熱そうだな」
フッと視線をそらしてよこしまな欲望を封印する。
「ははは、征士。お前青のりついてる……」
そう指摘しながら自分の口元を舌でなめとる。その赤い舌にくぎ付けになる。
当麻はどう思うだろうか。
この私の不純な想いを知ったなら……。
自戒の念を込めてカバンからティッシュを取り出して口元を拭いた。
「取れたか?」
「ん~、ここもまだ付いてる…」
当麻の指が私の唇に触れた。
細い、長い指の腹が……取りにくいのか爪を少し立ててから、そっと離れて行った。
当麻が触れた口の端に感触がずっと残っている。
「お前、その顔変やで?まるでチュウされるのを待ってるみたいや~」
ああ、自分の顔が真っ赤になるのが判る…。
「馬鹿者!おかしなことを言うな。さっさと次へ案内しろ!」
そう言って顔をそむける目の端で当麻が、その指を、私に触れた指を自分の口へと持って行くのを見逃さなかった。
笑いながら、さりげなく、その青のりを口へと……。
青のりになりたいと一瞬思ってしまった。
この動揺を悟られない様に当麻よりも一歩前に出て歩き出す。
後ろから待てよと当麻が付いてきた。
グッと肘をつかまれて、当麻の方へと顔を向ければ、目線が少し下に下がる。
身長は互いに伸びたがどうやら私の方が5センチほど高いのか、当麻の猫背でさらに下に見える。
長い前髪は当時のままで、帽子の下からのぞいている。
「待てって、怒んなよ。で、こっちだから……」
逆の方向へと手を引かれて、その繋がった手から伝わる体温…冷たい。
「当麻、手袋はしないのか?手が氷のようだ」
「ん?ああ、悪い冷たかったか?いつもはポケットに突っこんでるからな手袋はしないんだ」
パッと手を離されて、そんなつもりじゃなかったので、余計に放された手が冷たく感じた。
当麻の手が冷たいと感じるということは私の手は当麻よりも暖かいのだろう。
その手を温めてやりたい。
ポケットにに入れられた当麻の手を引きずり出して握ってやりたい……。
今度は当麻が一歩先を歩く。
足を延ばしてその横に立ち並んで歩く。
横目でそれを確認すると、当麻の背が伸びた。
「いつもそうして歩け」
「ふん」
こうしていつまでも並んで歩きたい。自分が思いを告げた時、当麻との距離がどうなってしまうのか……。
何時迄も友人としていた方が良かったと思うかもしれない。
それでももう自分の気持ちに嘘をつくことは出来なかった。
横に立つ友人が実は邪な感情を持っているなどと気付かれてからでは遅いと、自制が効かなくなってからでは手遅れだと思う程に、この感情は収まらない。
ケリをつけなければ暴走してしまいそうだ。
「高いとこに登るとな、新宿のビルを思い出す」
大阪で有名なタワーに上り展望台から見える大阪の街を見下ろしながら当麻が遠い目をしながらつぶやいた。
同じ展望台に居る観光客は皆一応に夕陽が見える西側に集まっていて、既に暗くなりつつある東側を見るもの好きは二人だけだった。
「ここからは見えないけどな、気が付いたら向うを見てる。もう大丈夫なんだって思っていてもついな。因果なもんだよ」
そう呟いてから、ちらとこちらに視線を投げてから付け足す。
「だからって戦いを望んでるわけじゃないからな?そんな顔すんなよ」
私の杞憂を先取りして打ち消してくれた。
尋常でない経験をしたせいか私達五人はしばらく後遺症で悩まされ、半年間を共に過ごしその傷を互いに癒しあった。
当麻が判断してもう大丈夫だろうと故郷へそれぞれ帰ったのだが、その判断を下した当麻自身が一番後遺症に悩まされていたのではないかと感じていた。
だがその都度当麻は平然とした顔でそんなわけないと一笑してくれたものだ。
己が当麻に抱く感情ゆえに、自分の都合のいいように当麻に庇護欲を抱こうとしていたのかもしれないと自戒し、当麻の言葉を信じることにしていたが、こうして胸の内を聞くとまたその思いが根をはってくる。
「ならば何故そのようなことを言う?」
「そうだな、久しぶりにお前に会ったからかな? 不安定な気持ちを修正しようとしてるのかもしれない。お前に聞いてもらってさ……」
そう言ってにこりと笑いかけてきた当麻に、その不安定なお前をさらに困惑させるようなことを言っていいものかどうか迷いながらも、今が、二人っきりになれた今がチャンスだと頭の奥で声がした。
「私がお前にとっていい友人であると思ってくれることはうれしい……だが、私は、お前とこうして友人として付き合っていくことが困難になってきたのを白状せざるを得ないのだ。すまないと思う、今のお前にこの様なことを言いだすのは気が引けるが、言わねばもう耐えられないほどに私は……」
言いかけた時に当麻が私の口に手を当てた。
「わかった。いいよ、もう言うな……それ以上は、もういい…………だから、最後に…………」
判ってくれたのか?まだ大事なことは一言も言えていないが、聡い当麻にはわかってしまったのか?
そう考えると顔が紅潮してきた。
当麻の顔が近づいてきて、その青い瞳がまじかに迫り、潤んでいるのが分かった。
と、そのまぶたが伏せられ、口に柔らかいものが一瞬……触れた…………。
「悪かったな、俺は友達づきあいって苦手で、あんな風にしか接する事が出来なくて、お前に嫌な思いさせてたんだな……。もっと早く言ってくれれば今日も誘わなかったのに。
実はさ、俺、お前の事好きだったんだ、それももしかして気付いてたか?どうせこれが最後になるんなら最後に想い出くらいくれてもいいよな?
あ、もしかして初めてだったか? そんなことないよな、お前モテそうだもんな。キスの一つくらい挨拶みたいなもんだろ?これでもう付きまとわないから良いだろ?
あれ?征士聞いてるか?固まっちまったか?そうだよな、こんな急に言われて驚くよな…」
当麻の思ってもみなかった行動と、矢継ぎ早の告白にどこからどう口を挿めばいいのかわからなくて、頭の中で当麻の言葉を整理して早く当麻の勘違いを訂正しなければと言葉を探していると、また当麻が困ったような顔をしてからふいっと体の向きを変えて歩き出した。
「行こう、ホテルに送ってってやる。それで最後な。で、何処のホテルなんだ?」
「………今日は、泊めてくれるのではなかったのか?」
やっと声が出せた。
告白してからの当麻の返事次第で宿をどうするか考えようと思っていたが、どうやらその心配はなさそうだ。
「へ? なんで? お前付き添いの先生とホテルって言ってたじゃないか!」
「ああ、先生は奥様がこちらの方で、そちらで泊まられるそうだ。言ってなかったか?」
「……聞いてないぞ!」
驚いて足を止めこちらを睨んでくる。
その顔も、自分の予想外の事態に心持ち赤くなって下から見上げるようにして睨むその顔も、私の心を鷲掴みする。
「人の話は最後まで聞くものだと伸から常々言われているだろう?」
「聞きたくない話はいいんだよ!」
「だからお前は早とちりなのだ。私が言いたいことはお前が思っているようなことではないんだが?」
「じゃあなんだって言うんだ! 変な顔して笑ってないでさっさと言えよ!!」
「そう噛み付くな……」
私は楽しくて仕方なかった。
当麻が私の事を好きだと言ってくれたことが、私に言いたいことを全く逆に思い違いして、当麻の方から告白してくれるなんてこんな素晴らしい事があるだろうか?
当麻のその大胆な行為が私に余裕を持たせてくれた。
当麻の言葉が顔が行動がすべてが愛しくなってくる。
今ここで抱きしめたいが、焦る必要はない。
今日は、今夜は当麻と共に居られるのだから。
「さ、お前の家に連れて行ってくれ。ゆっくり語り合おう」
「いや、そうじゃなくて、お前言いたいこと言ってないだろう!? 友人としていられないって、あれはどういう…………?!」
ようやく思い至ったようだが、それでは男として私としても満足とはいいがたいのでそっと当麻の耳元で告白することにした。
途端に当麻の顔が真っ赤になり、口がぱくぱくとまるで金魚のように開き、目が真ん丸に見開いた。
「お前はずるい! 俺にあんな恥ずかしいまねさせて、大体お前は言葉が遅いんだ、もっと直球で言ってくれればあんな行動に出なかった! それに、ここで別れると思ってたから出来たんであって、俺は………」
当麻の手を引いて階段を下りながらも、当麻の言葉はつらつらと先ほどの行動の言い訳を述べているが、その言葉のどれもが私に対しての愛の告白に聞こえてくる。
通天閣でチュウってベタだねと伸の声が聞こえてきそうだが、そんなことは構わない。
細い階段を降りたらきっと当麻は私の横に並ぶだろう。
私達はこれから二人並んで歩いて行くのだ。
この大阪からスタートする二人の人生を。
**********
思わぬ告白までしてもらった上に自室へご案内とは、何という計らいであろうか。
これも毎日真面目に勉学に励む私への褒美なのに違いない。
神様とやらがいるなら感謝する。
などと思っていたら、当麻は自分の部屋で、私には長期に留守にしているという父親の部屋で寝ろと言う。
「一緒の部屋で寝かせてはくれないのか?」
ベッドのシーツを替えてくれている当麻を、後ろから抱きすくめる。
「え? や、あ、あかんやろ、そんな…」
見る間に真っ赤に茹で上がった。
可愛いすぎる…。
そのまま無理やり顔だけこちらへ向かせて、二度目のキスをしてやった。
「男同士だ。同じ部屋に寝るのに何の問題があると言うのだ?」
そのままベッドに当麻を倒し、間近まで顔を寄せる。
当麻の青い目が潤んで泳ぐ。
「お、オヤジのベッドでこんなことすんなや…」
「では、お前のベッドに行かせてもらおう」
交渉は成立だ。
そのまま当麻を抱え上げて部屋を出る。
「何でお姫様ダッコやねん! 降ろせ!」
ジタバタする当麻に、
「明日のコンテストに響かぬようにな、お手柔らかに頼む」
と囁いてやる。
「ちょ! お前、ナニする気や!? はなせ! 降ろせー!」
頭から湯気が立っているのが見えるような当麻をお望み通り自分のベッドへ降ろして、もう一度キスを落として黙らせる。
明日の予行練習として、ここから先は黙って聞いていただこう。
いや、私への愛のスピーチならば、続けてもらっても一向にかまわないが。
おわり!
**********
** あとがき **
( obachammさん )
ツイッターからのアイデアで、Kco様からお話をいただいて幾星霜、ようやく皆様にお披露目する事が出来て胸をなでおろしております。
冒頭と文末をKco様に書いていただいて中身を不肖obachammが書かせていただきました。
私の好きに書いてよいとのお言葉通りに書いてしまいましたが、チュー天閣という言葉につい悪乗りしたかもしれません。素敵なKco様のブログの雰囲気を壊さなければよいのですが^_^;
Kco様が、それぞれの文章を上手に繋ぎ合わせてくださり、見事な結末をつけてくださったりで何とか形にしていただきました。ありがとうござい ます。<m(__)m>
それでも、こうして読んで見ると、可愛い当麻と格好良い征士が出来上がったなって、思います。うん。
これを機会にKco様にももっと投げかけてエロい話をバンバン書いていただこうと思いますので応援お願いします(笑)
( kco )
共通のフォロワーさんのanekoさんが、twitterで何かの折に「リレー小説書いたらいかが?」って言ってくださったんですよね。
その時は、いやいや恐れ多い…と尻込みしていたのですが、その後水面下で、でも面白そうよね…なんて盛り上がってしまったのでした。
で、チュー天閣(「タワー」というお話になりました)を書いていた時の、没になったんだけどでもいつか使えるハズだ!ととっておいたバージョンの冒頭部分を試しにと投げさせていただいたら、素敵な宝物を付けて返してくださったのです!!
いやもう☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆!
冒頭(暴投?)を投げかけたら、素敵な征当になって帰ってくる。
こんな幸せがあっていいのでしょうか…。
冒頭(暴投?)を投げかけたら、素敵な征当になって帰ってくる。
こんな幸せがあっていいのでしょうか…。
読んでくださった方はお分かりでしょうが、ほとんど本文はobachammさんのお陰様でできている作品です。
こちらで掲載させていただいてしまって申し訳ありませんです。
こちらで掲載させていただいてしまって申し訳ありませんです。
obachammさんの部分で話は完結していただいていたのですが、この後、思いが通じ合った二人は当麻の家で…と考えたら妄想がまた止まらなくなり、蛇足を足させていただいてしまいました。
続きで書くと、いつも自分が書く二人とはちょっと違っていて楽しかったです(≧∇≦)。
機会があれば、またぜひ!
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