忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【023】炊飯器で作る甘くないチョレートケーキ☆

ホワイトデーに当麻が伸とチョコケーキを作ります。
でも征当。
設定的には「結果オーライ」>「おかたずけ」> 本作って流れになりました。

拍手

 
 
**********
 
 
 
「バレンタインのお返しって当麻キミ、チョコレートをもらったわけ? 征士に」
 
「…ああ」
 
「なんで?」
 
「なんでって?」
 
「だってキミたちってさあ…」
 
「…なんだよ」
 
「…いや、反対なんじゃないかなぁと思ったから。あ、これ湯煎ね。チョコとバター」
 
「かき混ぜてればいいのか?」
 
「うん。溶けるまでね」
 
「俺が征士にあげる方だろってか?」
 
「…うん、まあ、そう」
 
「…くれたんだから、しょうがねぇだろ」
 
「ふうん。キミからはなにもあげなかったの?」
 
「…なにもって…」
 
「あ、なにかあげたの?」
 
「…いや………なにも…?」
 
「ふーん…」
 
「………」
 
「あれ? そう言えばさあ、なにか手作りでもしようかなって言ってなかった?」
 
「………」
 
「そうだよ。バレンタインのお菓子、なんか教えようかって聞いたら、自分でなんとかできるもん作るからって言ってたじゃない?」
 
「ああ…あれな…」
 
「…やらなかったの?」
 
「………」
 
「なにー? 教えてくれないと、作り方の続きも教えてあげないよ?」
 
「…なんだよそれ」
 
「じゃ、どうしたの?」
 
「あー…」
 
「やめたの?」
 
「いや」
 
「…なんか、失敗でもしたの?」
 
「失敗っていうか…」
 
「ん?」
 
「いやさ、売ってるだろ? ケーキの台とホイップクリームがさ」
 
「うん」
 
「それでいいやと思ってたんだけど」
 
「ああ、いいよね。いいもん選べばそれなりに美味しいし。でも征士には甘すぎるんじゃない?」
 
「うん。まあ、手作りしたってことで喜んでもらえれば、あとは俺が食べればいいと思ってたんだけどな。あ、こんなもんか?」
 
「うん。じゃ、メレンゲね」
 
「泡立てんの?」
 
「そう。ハンドミキサー持ってこなかったから、人力で頑張って」
 
「持ってこいよー」
 
「重たいもん。やだよ。ほら、愛情、愛情」
 
「ちぇ」
 
「で?」
 
「ん?」
 
「どうしたの? そのケーキ台とホイップを」
 
「ああ…その…」
 
「ん?」
 
「…バレンタインの前の日に、チョコホイップだけ全部舐められた」
 
「…は? 誰に?」
 
「…いや、だから征士に」
 
「ホイップだけ?」
 
「ああ」
 
「…甘いだろう?」
 
「ああ」
 
「なんでまた…」
 
「な。…なんでだろうな」
 
「あ、その辺で砂糖入れて。三分の一ね」
 
「……こんなもんか?」
 
「うん。で、また泡立てて」
 
「腕が痛くなってきたんだけど」
 
「頑張ってー」
 
「代わってくれないのかよ」
 
「なに言ってるの。キミが征士にプレゼントするんでしょう?」
 
「あー、痛い痛い。手首が」
 
「じゃ、その辺でまた三分の一ね」
 
「………」
 
「はい、じゃあまた頑張って」
 
「くっそー。大変だな、ケーキ作んのは」
 
「これなんか一番簡単なやつだよ? …で? どうしたわけ?」
 
「ああ、で、バレンタイン当日は征士がチョコ買ってきたんだ。あと、花束?」
 
「花束!?」
 
「ああ」
 
「まさか…真っ赤なバラとか?」
 
「…ああ」
 
「うっわー。ははは。もしかして、歳の数とか?」
 
「いや、歳の数の倍くらいあったんじゃないかな。一抱えは余裕であったから」
 
「あははははははは!」
 
「………」
 
「似合いすぎー。おっかしーい。はははは」
 
「そんなに笑うなよ。もういいか、残り入れて」
 
「ああ、そうだね。ごめんごめん」
 
「この家にそんなにバラ飾ってどうしろって言うんだよ。なあ」
 
「まあ、あげたかったんだろ、当麻に」
 
「まあね。…こんなもん?」
 
「ボウルごと逆さまにしてみて? 落ちてこないくらいなら大丈夫」
 
「よ。…大丈夫みたいだな」
 
「じゃあ次は、こっちのボウルに玉子の黄身とホイップクリーム入れて、混ぜる。…で、どうしたわけ? そのバラは」
 
「もったいないからさぁ。ちょっと残しておおかた職場に持ってったけど」
 
「なんて言って?」
 
「いや、もらったからって。できた」
 
「で、さっきのこのチョコを混ぜる、と」
 
「おー」
 
「よく混ぜてね。誰にもらったとか、聞かれないの? バラ」
 
「誰にかってのはな、まあだいたい察してくれんだろ」
 
「そうか。話したって言ってたもんね。忘年会でだっけ?」
 
「ああ」
 
「女性陣には、まあちょっとからかわれたけどな。からかわれたというか、羨ましがられたというか」
 
「はは…。粉、入れるよ」
 
「おう」
 
「ここからはゴムベラで。さっくり混ぜて。……ああっ、そんなにグリグリ混ぜないで」
 
「こうか?」
 
「ん。そんなもん。で、ここに頑張って泡立てたメレンゲを入れます」
 
「おー」
 
「さっくりとね。泡を消さないように」
 
「んー」
 
「そうそう。うまい、うまい」
 
「美味そうだな。舐めたい」
 
「お腹痛くなるよ。で、油を塗ったお釜に入れて…」
 
「ほい……と」
 
「こうやって何回か打ちつけて空気を抜いて…」
 
「で、普通に炊けばいいのか」
 
「そ。簡単だろ? オーブンいらないし」
 
「だな」
 
「喜ぶんだろうなぁ、征士。顔が目に浮かぶよ。これ、かなり甘さ控えめだから、征士でも食べられるだろうし」
 
「帰ってくるまでいたらいいのに。晩飯食ってけよ」
 
「そんな野暮じゃないよ。焼き上がりを見たら早々に退散させていただきます」
 
「喜ぶと思うけどなぁ。伸に会いたがってたぞ?」
 
「一番喜ぶのは、僕よりこのケーキより、もう一回チョコホイップなんじゃないの?」
 
「…なんだよ、それ」
 
「特盛りのバラの花束と引き合うくらいの、美味しいチョコホイップだったみたいだから?」
 
「………」
 
「相変わらず仲のよろしいようで、何よりです」
 
「…嫌なやつだなー、相変わらず」
 
「あれ? こんな面白いネタ、一人で楽しんでるのもったいないなぁ。秀にも話してやろうかなー」
 
「いや、ごめんなさい。ありがとうございます。神様、伸様、仏様。感謝してる!」
 
「だっろー?」
 
「ちぇ」
 
「晩ご飯はどうするの?」
 
「うーん、それもこれから考える」
 
「じゃあ、帰りながら買い物付き合うよ」
 
「おー、助かる。ありがとな」
 
「どういたしまして」
 
 
 
 
おわり
 
 
**********
 
 
オチない話ですみません。
伸兄さんは何でもお見通し☆

タイトルはそのまんまです。
もう考える気がまったくない(笑)
PR

calendar

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

ring & search





****** ****

このサイトへのリンクについて

profile

HN:
kco
HP:
性別:
女性
自己紹介:

QRcode

search in this blog

***