たいいくのひ
since November 22th 2012
【013-02】おねがい2
続きました(笑)。
前の会話はこちら。
**********
「………当麻」
「……ん?」
「………」
「……またこっち来たいのか?」
「いいか?」
「……どーぞ」
「………」
「………」
「お前の足は冷たいな」
「お前が妙にあったか過ぎんだろ。人間ホカロンめ」
「そうか?」
「うん」
「………」
「………」
「伸が騒いでいたな」
「ん? ああ、今朝?」
「そうだ」
「まぁ、驚くよな。普通」
「そうか」
「驚くだろ。そりゃ。俺だってびっくりだ」
「……そうか」
「で、どうなんだ?」
「………ん?」
「これ、どうなんだ? 何回かやってみて」
「………いいな」
「……そう……」
「お前はどうなのだ」
「俺?」
「ああ」
「……狭いな」
「……そうだな」
「俺、思ったんだけどベッド………二つくっつけたらどうだろう」
「………」
「………」
「………」
「……想像してんの?」
「ああ……この方がいいな」
「……そうか……」
「………」
「なんでか、わかったか?」
「なにが?」
「いや、お前がさ、こうしたいワケ」
「ああ……よくわからない」
「俺はちょっと考えてみたんだけどさ…」
「…ああ」
「妖邪との戦いがさ、ほら、普通じゃなかっただろう?」
「ああ」
「それでさ、心の傷とか? そういうの?」
「ほう」
「それでさ、一人じゃ寝られないとか。違うか?」
「…どうだろうな…。傷か…。確かに楽しくない思い出ではあるな」
「だよな」
「しかし、楽しくないことばかりではなかった」
「…まぁな」
「手強い敵と手合わせするというのは…胸踊るできごとでもある」
「………」
「……違うか?」
「うーん、どうかなぁ。戦術とか、その場でどんどん考えてリアルに実践していくのは、まぁ楽しくないこともないが」
「そうだろう。わくわくする」
「…お前はタフだよな」
「そうか?」
「うん。あれがトラウマになって、一人で眠れなくなるようなタマじゃないな」
「…そうかもしれんな」
「あとは、ほら、お前さ」
「ん?」
「伸や遼や秀じゃなくて、俺がいいって言っただろ?」
「ああ…言ったな」
「俺がさ、誰かに似てるとか」
「誰かとは?」
「そりゃわかんないんだけど、母さんとか、姉さんとか、彼女とか、さ。そういう甘えたい相手とか、好きな相手に似てるとか」
「私の母も姉も、面差しは私にそっくりだな」
「へー」
「お前には似ていないということだ」
「だな」
「そして、彼女はいない」
「うん。聞いたことないもんなぁ。秀なんかいるらしいけどな、横浜に彼女が」
「そうだな。…当麻はどうなのだ?」
「俺?」
「ああ。…お前は付き合っている女性や、好きな女性はいないのか」
「いないなぁ。寂しいけど」
「寂しいのか」
「そりゃあなぁ。男だから、彼女とかいた方が嬉しいだろ」
「そんなものか」
「お前は違うの?」
「………」
「…好きな女もいないのか?」
「……いないな」
「ふーん」
「………」
「………」
「……ひとつ思いついたのだが…」
「お? 何だ?」
「私はお前と一緒に寝たいと思うのだ」
「…らしいな」
「普通、一緒に寝たいと思う相手というのは、好きな相手なのではないだろうか…」
「…まぁな。健全な男子なら、好きな女と寝たいと思うよな」
「だとすると、私にとってお前は、好きな相手なのではないのだろうか…」
「………」
「………」
「………えええええ!?」
「耳元で大きな声を出すな」
「あ、すまん」
「どうだろう」
「どうだろうって、俺に聞いてんの?」
「ああ」
「知るかよ。俺が聞きたいよ」
「そうだな」
「そうだよ」
「…….よくわからんな」
「なんかさぁ」
「うん?」
「俺、ドキドキしてきたんだけど」
「なぜだ」
「なぜって、お前みたいな奴が自分のベッドに入ってきて、俺のこと好きかもしれないとか言うんだぜ?」
「お前みたいとはなんだ」
「え? そこ? …突っ込むとこ、そこ?」
「なんだと聞いている」
「いや、だからさー。なんていうの? お前、顔が綺麗だしさぁ」
「………」
「それでいてものすごく男らしくて、ヤバイじゃん。ギャップとか」
「ヤバイとはなんだ」
「いや、いい意味でだぞ?」
「いい意味でヤバイとは…お前の言うことは時々わかりにくいな」
「…俺だって自分で何言ってんだかわからなくなってきたよ」
「…それは…」
「…え?」
「…よくわからないのだが、察するに、お前は私のことが好きなのではないか?」
「………えええええええええ!?」
「だから耳元で大きな声を出すなと言うのに」
「…すまん」
「私は恋愛ごとにはとんと疎い方らしいからわからんが、今お前が言ったことは、そういうことに聞こえたな」
「お、俺が、お前のこと、好き…だって???」
「ああ。違うのか?」
「いや、あの、ええと、どうだろう?」
「自分で考えろ。眠くなってきた」
「えええ? 寝るのか? ここで?」
「おやすみ、当麻」
「ち、ちょっと待てよ? おい!」
「………」
「征士………」
「………」
「………」
「………」
「…勘弁してくれよ…また眠れねぇのかよ、俺」
おわり
*********
直感&直球のヒト、征士さん。
当麻、振り回されっぱなし。
そして蛇足的な番外編は こちら 。
注意! こちらは青緑←水。
処理に大変困ったので、ここからリンク。
前の会話はこちら。
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「………当麻」
「……ん?」
「………」
「……またこっち来たいのか?」
「いいか?」
「……どーぞ」
「………」
「………」
「お前の足は冷たいな」
「お前が妙にあったか過ぎんだろ。人間ホカロンめ」
「そうか?」
「うん」
「………」
「………」
「伸が騒いでいたな」
「ん? ああ、今朝?」
「そうだ」
「まぁ、驚くよな。普通」
「そうか」
「驚くだろ。そりゃ。俺だってびっくりだ」
「……そうか」
「で、どうなんだ?」
「………ん?」
「これ、どうなんだ? 何回かやってみて」
「………いいな」
「……そう……」
「お前はどうなのだ」
「俺?」
「ああ」
「……狭いな」
「……そうだな」
「俺、思ったんだけどベッド………二つくっつけたらどうだろう」
「………」
「………」
「………」
「……想像してんの?」
「ああ……この方がいいな」
「……そうか……」
「………」
「なんでか、わかったか?」
「なにが?」
「いや、お前がさ、こうしたいワケ」
「ああ……よくわからない」
「俺はちょっと考えてみたんだけどさ…」
「…ああ」
「妖邪との戦いがさ、ほら、普通じゃなかっただろう?」
「ああ」
「それでさ、心の傷とか? そういうの?」
「ほう」
「それでさ、一人じゃ寝られないとか。違うか?」
「…どうだろうな…。傷か…。確かに楽しくない思い出ではあるな」
「だよな」
「しかし、楽しくないことばかりではなかった」
「…まぁな」
「手強い敵と手合わせするというのは…胸踊るできごとでもある」
「………」
「……違うか?」
「うーん、どうかなぁ。戦術とか、その場でどんどん考えてリアルに実践していくのは、まぁ楽しくないこともないが」
「そうだろう。わくわくする」
「…お前はタフだよな」
「そうか?」
「うん。あれがトラウマになって、一人で眠れなくなるようなタマじゃないな」
「…そうかもしれんな」
「あとは、ほら、お前さ」
「ん?」
「伸や遼や秀じゃなくて、俺がいいって言っただろ?」
「ああ…言ったな」
「俺がさ、誰かに似てるとか」
「誰かとは?」
「そりゃわかんないんだけど、母さんとか、姉さんとか、彼女とか、さ。そういう甘えたい相手とか、好きな相手に似てるとか」
「私の母も姉も、面差しは私にそっくりだな」
「へー」
「お前には似ていないということだ」
「だな」
「そして、彼女はいない」
「うん。聞いたことないもんなぁ。秀なんかいるらしいけどな、横浜に彼女が」
「そうだな。…当麻はどうなのだ?」
「俺?」
「ああ。…お前は付き合っている女性や、好きな女性はいないのか」
「いないなぁ。寂しいけど」
「寂しいのか」
「そりゃあなぁ。男だから、彼女とかいた方が嬉しいだろ」
「そんなものか」
「お前は違うの?」
「………」
「…好きな女もいないのか?」
「……いないな」
「ふーん」
「………」
「………」
「……ひとつ思いついたのだが…」
「お? 何だ?」
「私はお前と一緒に寝たいと思うのだ」
「…らしいな」
「普通、一緒に寝たいと思う相手というのは、好きな相手なのではないだろうか…」
「…まぁな。健全な男子なら、好きな女と寝たいと思うよな」
「だとすると、私にとってお前は、好きな相手なのではないのだろうか…」
「………」
「………」
「………えええええ!?」
「耳元で大きな声を出すな」
「あ、すまん」
「どうだろう」
「どうだろうって、俺に聞いてんの?」
「ああ」
「知るかよ。俺が聞きたいよ」
「そうだな」
「そうだよ」
「…….よくわからんな」
「なんかさぁ」
「うん?」
「俺、ドキドキしてきたんだけど」
「なぜだ」
「なぜって、お前みたいな奴が自分のベッドに入ってきて、俺のこと好きかもしれないとか言うんだぜ?」
「お前みたいとはなんだ」
「え? そこ? …突っ込むとこ、そこ?」
「なんだと聞いている」
「いや、だからさー。なんていうの? お前、顔が綺麗だしさぁ」
「………」
「それでいてものすごく男らしくて、ヤバイじゃん。ギャップとか」
「ヤバイとはなんだ」
「いや、いい意味でだぞ?」
「いい意味でヤバイとは…お前の言うことは時々わかりにくいな」
「…俺だって自分で何言ってんだかわからなくなってきたよ」
「…それは…」
「…え?」
「…よくわからないのだが、察するに、お前は私のことが好きなのではないか?」
「………えええええええええ!?」
「だから耳元で大きな声を出すなと言うのに」
「…すまん」
「私は恋愛ごとにはとんと疎い方らしいからわからんが、今お前が言ったことは、そういうことに聞こえたな」
「お、俺が、お前のこと、好き…だって???」
「ああ。違うのか?」
「いや、あの、ええと、どうだろう?」
「自分で考えろ。眠くなってきた」
「えええ? 寝るのか? ここで?」
「おやすみ、当麻」
「ち、ちょっと待てよ? おい!」
「………」
「征士………」
「………」
「………」
「………」
「…勘弁してくれよ…また眠れねぇのかよ、俺」
おわり
*********
直感&直球のヒト、征士さん。
当麻、振り回されっぱなし。
そして蛇足的な番外編は こちら 。
注意! こちらは青緑←水。
処理に大変困ったので、ここからリンク。
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