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【013-02】おねがい2

続きました(笑)。

前の会話はこちら

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********** 




「………当麻」 


「……ん?」 


「………」 


「……またこっち来たいのか?」 


「いいか?」 


「……どーぞ」 


「………」 


「………」 


「お前の足は冷たいな」 


「お前が妙にあったか過ぎんだろ。人間ホカロンめ」 


「そうか?」 


「うん」 


「………」 


「………」 


「伸が騒いでいたな」 


「ん? ああ、今朝?」 


「そうだ」 


「まぁ、驚くよな。普通」 


「そうか」 


「驚くだろ。そりゃ。俺だってびっくりだ」 


「……そうか」 


「で、どうなんだ?」 


「………ん?」 


「これ、どうなんだ? 何回かやってみて」 


「………いいな」 


「……そう……」 


「お前はどうなのだ」 


「俺?」 


「ああ」 


「……狭いな」 


「……そうだな」 


「俺、思ったんだけどベッド………二つくっつけたらどうだろう」 


「………」 


「………」 


「………」 


「……想像してんの?」 


「ああ……この方がいいな」 


「……そうか……」 


「………」 


「なんでか、わかったか?」 


「なにが?」 


「いや、お前がさ、こうしたいワケ」 


「ああ……よくわからない」 


「俺はちょっと考えてみたんだけどさ…」 


「…ああ」 


「妖邪との戦いがさ、ほら、普通じゃなかっただろう?」 


「ああ」 


「それでさ、心の傷とか? そういうの?」 


「ほう」 


「それでさ、一人じゃ寝られないとか。違うか?」 


「…どうだろうな…。傷か…。確かに楽しくない思い出ではあるな」 


「だよな」 


「しかし、楽しくないことばかりではなかった」 


「…まぁな」 


「手強い敵と手合わせするというのは…胸踊るできごとでもある」 


「………」 


「……違うか?」 


「うーん、どうかなぁ。戦術とか、その場でどんどん考えてリアルに実践していくのは、まぁ楽しくないこともないが」 


「そうだろう。わくわくする」 


「…お前はタフだよな」 


「そうか?」 


「うん。あれがトラウマになって、一人で眠れなくなるようなタマじゃないな」 


「…そうかもしれんな」 


「あとは、ほら、お前さ」 


「ん?」 


「伸や遼や秀じゃなくて、俺がいいって言っただろ?」 


「ああ…言ったな」 


「俺がさ、誰かに似てるとか」 


「誰かとは?」 


「そりゃわかんないんだけど、母さんとか、姉さんとか、彼女とか、さ。そういう甘えたい相手とか、好きな相手に似てるとか」 


「私の母も姉も、面差しは私にそっくりだな」 


「へー」 


「お前には似ていないということだ」 


「だな」 


「そして、彼女はいない」 


「うん。聞いたことないもんなぁ。秀なんかいるらしいけどな、横浜に彼女が」 


「そうだな。…当麻はどうなのだ?」 


「俺?」 


「ああ。…お前は付き合っている女性や、好きな女性はいないのか」 


「いないなぁ。寂しいけど」 


「寂しいのか」 


「そりゃあなぁ。男だから、彼女とかいた方が嬉しいだろ」 


「そんなものか」 


「お前は違うの?」 


「………」 


「…好きな女もいないのか?」 


「……いないな」 


「ふーん」 


「………」 


「………」 


「……ひとつ思いついたのだが…」 


「お? 何だ?」 


「私はお前と一緒に寝たいと思うのだ」 


「…らしいな」 


「普通、一緒に寝たいと思う相手というのは、好きな相手なのではないだろうか…」 


「…まぁな。健全な男子なら、好きな女と寝たいと思うよな」 


「だとすると、私にとってお前は、好きな相手なのではないのだろうか…」 


「………」 


「………」 


「………えええええ!?」 


「耳元で大きな声を出すな」 


「あ、すまん」 


「どうだろう」 


「どうだろうって、俺に聞いてんの?」 


「ああ」 


「知るかよ。俺が聞きたいよ」 


「そうだな」 


「そうだよ」 


「…….よくわからんな」 


「なんかさぁ」 


「うん?」 


「俺、ドキドキしてきたんだけど」 


「なぜだ」 


「なぜって、お前みたいな奴が自分のベッドに入ってきて、俺のこと好きかもしれないとか言うんだぜ?」 


「お前みたいとはなんだ」 


「え? そこ? …突っ込むとこ、そこ?」 


「なんだと聞いている」 


「いや、だからさー。なんていうの? お前、顔が綺麗だしさぁ」 


「………」 


「それでいてものすごく男らしくて、ヤバイじゃん。ギャップとか」 


「ヤバイとはなんだ」 


「いや、いい意味でだぞ?」 


「いい意味でヤバイとは…お前の言うことは時々わかりにくいな」 


「…俺だって自分で何言ってんだかわからなくなってきたよ」 


「…それは…」 


「…え?」 


「…よくわからないのだが、察するに、お前は私のことが好きなのではないか?」 


「………えええええええええ!?」 


「だから耳元で大きな声を出すなと言うのに」 


「…すまん」 


「私は恋愛ごとにはとんと疎い方らしいからわからんが、今お前が言ったことは、そういうことに聞こえたな」 


「お、俺が、お前のこと、好き…だって???」 


「ああ。違うのか?」 


「いや、あの、ええと、どうだろう?」 


「自分で考えろ。眠くなってきた」 


「えええ? 寝るのか? ここで?」 


「おやすみ、当麻」 


「ち、ちょっと待てよ? おい!」 


「………」 


「征士………」 


「………」 


「………」 


「………」 


「…勘弁してくれよ…また眠れねぇのかよ、俺」 





おわり 

*********




直感&直球のヒト、征士さん。 
当麻、振り回されっぱなし。


そして蛇足的な番外編は こちら
注意! こちらは青緑←水。
処理に大変困ったので、ここからリンク。
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